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日々の呟きとか小ネタとか。 現在は転生話が中心…かと。
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ジョミシンの合間のちょっとした息抜き(記事の頭に別ジャンルのあの話題というのもあれですし^^;)
連載は先のことまで考える余裕が今はないので突発小話。
……というかですね、別ジャンルのサイト様の義理親子にうっかり萌えちゃっただけなんですが(笑)
ああいう付かず離れずな徐々に階段を昇って仲良くなっていく素敵な話は書けないので、10段くらい抜かした捏造親子。
ジョミーがブルーの養子になるパラレルです。
書き終わってみたら、あんまり義理親子である意味がなかったことに気づきました。またか……。
突発なんで唐突に始まり、続きません。


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「ジョミー、おめでとう!」
「この家からシャングリラ侯爵家の養子が選ばれるなんて、こんな名誉なことはありませんよ!」
「幸せになってね、ジョミー」
「手紙書けよ!」

アルテメシアにある『心の平穏の家』からそんな風に送り出されたのは三年前、十一歳のことだった。
馬車に揺られて遠ざかる住み慣れた『家』。
これから先への期待と不安に胸をいっぱいにしながら振り返ったそのときだけは、別離の寂しさにほんの少しだけ涙した。


久々に友人たちやお世話になった先生たちを夢に見たジョミーは、薄暗い部屋で目を擦った。どうやら夜中に目が覚めてしまったらしい。手の甲を濡らすものに驚いて瞬きを繰り返す。
泣いているのは郷愁か。
そんなもの、感じる暇もないくらいに愛されているというのに。
つい寝返りを打ってしまって、身を固くする。傍らで眠る人を起こしていないだろうかと恐る恐ると伺うと、規則正しい静かな寝息が聞えた。
ほっと息をついて、己を囲うようにして眠る男の寝顔を見上げる。
薄暗い部屋では元より色なんてはっきりとは判別できないにしても、彼の真紅の瞳が今は白い瞼に覆われていることがひどく残念だった。
朝になればその瞳を見ることも出来ると、もう一度眠りに就こうとしてはたと気づく。
今日はこの人は隣の市へ泊りがけで出かけて帰らないと聞いていて、だからこそ久々にこの人の寝室ではなく自分の寝室へ引き取ったはずだった。
どうしてここにいるのだろう。
ジョミーが養父であるこの人と一緒に眠る習慣は、この邸に迎えられた日からずっと続いていることなので、このときジョミーが抱いた疑問は、いないはずの人が邸に帰ってきていたという一点についてのみのことだった。


邸に迎えられた当日、胸が張り裂けそうなほどの緊張で訪れた先の主は、急用で不在だった。
出迎えてくれた執事のハーレイは、主が非常に残念がっていたとだけ伝えたが、それをより詳しく説明してくれたのは、その後ジョミーを部屋まで先導してくれた使用人のリオと言う青年だ。
「ソルジャーはあなたを自ら出迎えることができなくなるから、行かないとわがままを仰られたくらいだったのですよ」
この家では、主のことを旦那様でもご主人様でもなく、敬愛を以って「ソルジャー」と呼ぶのだと教えられたのもこのときだ。
「え、えっと……」
それは光栄ですというべきなのか、子供じゃないんだからと呆れるべきか、そもそも大の大人が行きたくないだなんて駄々を捏ねる姿が想像不可能で、会ったことのない養父の人物像がジョミーの中で迷走していた。
結果としてこのときジョミーが結論付けたのは、リオがジョミーの緊張を解そうと大袈裟に茶目っ気を利かせたのだろうということだった。
シャングリラ侯爵がジョミーを歓迎しているのだと、そういう意味なのだろうと。
そんな風に話すリオの表情を見ているだけで、侯爵の人となりが見えてくるようでジョミーの中のある種の恐れは小さくなった。
「明日にはお帰りの予定です。それまでジョミー様はゆっくりとお寛ぎください。今日は長旅の疲れもおありでしょう」
結局そんなリオの気遣いは無用だったかのように、ジョミーは疲れなど微塵も感じさせることなく、主が不在の邸を案内してもらって、新しい家の広大さに眩暈を起こしそうになってその日は終わった。
用意されていたジョミーの部屋だという、やたらと広い部屋のやたらと広いベッドに飛び込む。
部屋もベッドも広すぎて落ち着かない。どうにかもう少し普通の部屋に替えて貰えないだろうかと明日、養父にお願いしてみようか。けれど好意を無にしたと不愉快にさせたらどうしようと、明日のことに思いを馳せているうちに、落ち着かないなりに眠りに落ちた。

緊張があったからか、夜中に目が覚めた。
月明かりだけの部屋でベッドの傍らに人影が見えたが、孤児院の大部屋で生活していたジョミーは夜中の人影に驚かない。
「……トォニィ……?それともタージオンか?そんなところでどうした?」
夜中に目が覚めたと彼らがジョミーのベッドに狭いのに無断で潜り込んでくることはよくあったことで、ジョミーは何の疑問も持たずにブランケットを捲くった。
「ほら、来いよ。恐い夢でも見たのか?」
人影は戸惑うように揺れただけで、ベッドに入ってこようとはしない。
兄弟同然で育った年少者たちには珍しい遠慮に、ジョミーは欠伸を噛み殺して自らの傍らを叩いた。
「早くしろって。寒いだろ。入らないなら、自分のベッドに戻れ」
「………入って、いいのかい?」
半ば以上寝惚けていて、遠慮がちの声が聞き覚えのないものだとは気づきもしない。そうして、やはり寝惚けていたから、孤児院ではありえなかったことを口にしても疑問にも思わなかった。
「いいよ。このベッド広すぎてひとりだと落ち着かない。眠れないなら、ぎゅっとしてやるから……」
そうベッドを軽く叩くと、人影が闇に馴染むようにすぐ隣に滑り込んできた。
やってやると口にしたから、トォニィたちが喜ぶようにと、ぎゅっと抱き締める。
「………なんか、お前も大きくなったな……」
トォニィかタージオンがタキオンがコブか分からないけれど。髪の手触りからするとタキオンだろうか……。
うつらうつらとしながら、ジョミーは抱き寄せた髪に顔を埋めた。
「それに、いい匂い……あー……なんか、ぼくのほうが落ち着……」


「おはよう、ジョミー」
目を開けると、カーテンの隙間から入る朝の優しい陽射しの中で、養父の優しい笑顔がすぐ傍にあった。
留守のはずの人がいることに疑問を持ったまま、もう一度眠ったらしい。
「おはようございます……ブルー……」
目を擦りながらもぞもぞと身動きをすると、軽く額に口付けを贈られる。
くすぐったそうに身を竦めながら、ジョミーはくすくすと笑いを零して養父に強く抱きついた。
「お帰りなさい。昨日はいつ頃に帰って来たんですか?夜中に目が覚めたら隣にいて、びっくりした」
「ただいま。ジョミーに会いたくて、夜を徹して戻ってきたんだ。広いベッドだと落ち着かないだろう?」
そう笑ったのは、ブルーも初めて会った朝のことを思い出したからだろう。


朝、目を覚ますと知らない男を抱き締めていたなんてこと、きっと人生最初で最後の経験に違いない。
知らない、けれど見たこともないほどに綺麗な男は、寝乱れた姿も絵画のようで、驚いて声も出ないジョミーに微笑み挨拶をした。
「おはよう、ジョミー。よく眠れたようで何よりだ。僕も君の心音を聞きながら穏やかに眠ることができたよ」
「え?ええ?あ、あれ?え!?」
乱れた寝癖もそのままに、首を傾げ、左右を見回して居場所を確かめ、また首を傾げるジョミーに男は楽しげに笑う。
「初めまして、僕のジョミー。僕はブルー。書類上は少し前から、そして今日から本当の君の家族になる。君が来てくれる日を心待ちにしていたんだよ」
「…………へ?」
明日からあなたのお父上はブルー・シャングリラ侯爵になるのですよ。
そう言い聞かされていて、しかも目の前で挨拶をされたというのに、それでもジョミーはその若すぎる侯爵を前に、ただ呆然と目を瞬いていた。


「それとも、もうさすがに広いベッドにも慣れてしまっただろうか?」
広すぎて落ち着かないなら慣れるまで僕の部屋で一緒に眠ろう……三年前、当たり前のように告げたブルーは、本当にその日の夜からジョミーを自分の寝室へと連れ込んだ。
結局それが習慣となってしまって、以来三年。ジョミーは自分の部屋では数えるほどしか夜を過ごしていない。
「慣れようがないですよ。だってずっとあなたと眠ってるのに」
「そうか。では今日も僕の部屋へおいで。一緒に眠ろう」
十四歳にもなって、と眉を潜めるのは教育係のエラとゼルで、養父はちっともジョミーを一人で寝かせるつもりはないらしい。
「夜の話はあとで。今は朝ですよ」
まずは一緒にご飯を食べましょう。
そうジョミーが誘いかけると、ブルーは嬉しそうに微笑んだ。



ブルーはジョミーの成長を待っているのでもいいですし、
本当にいい父親のつもりでいてもいいと思います。
前者なら美味しく導きそうですが、
後者なら後々ジョミー以上に戸惑いそう(笑)

自重どこへ……人これを逃避という。
またガンダムか、という感じですが、気になってしかたないんですよ。
……あの乳。
以下そんな話ばっかりです。

なんというかこう……00のヒロインって、誰ですか?(苦笑)
OPを見る限り、恐らくマリナ・イスマイールということになるかと思うんですが、華やかさ(外見じゃなくて存在感の)に欠けるような気がして……。
幻水3みたいに複数主人公という考え方でいけば、沙慈がトーマスポジションということでルイスがヒロインという考え方もありかなーとは思うんですけどね(すみません、幻水3を知らないとわからん喩え……)
いっそ刹那がヒーローでヒロインでもいい気がします。

って、それよりガンダムの女性陣で気になるのは最初に呟いた乳です。
……どうしてそんな漏れなくきょにゅーなのか。
女の子ジョミーの場合のこだわりのときにも主張しましたが、個人的にきょにゅーは好きです。
しかしながら全員が全員というのは美味しくない。
肉ばっかり食べてたら飽きる。魚も欲しい!
そんな心境。
控え目な子と豊満な子が両方いてこそ、どっちも美味しくいただけると思うのですが、その辺りどうでしょう。
比較的まだ控え目なのはソーマくらい……でしょうか?でもあれだけあれば十分さ……。
それとも真の巨乳好きならあれが嬉しいものなんだろうか。ならば修行が足りないということになるわけですが(足りなくていい修行)

そういや、テラへの女性陣もみんな結構豊満でしたね……。
ミュウの一般の女性服はあれがまたボディーラインがはっきりしてて目立ち易いということもありますが、フィシスもスウェナもブラウも十分だったと思う……ミシェルは言うに及ばず。
でも00ほどは気になりませんでした。バランスの問題なのか。


ところで原作で男の子のキャラを女の子化させるなら巨乳が好みと書いてましたし、ジョミーではその気満々なんですが、なぜか刹那だと貧乳なイメージしか湧きません。
ティエリアなら童顔巨乳(脱いだらすごい系で)だよな……とは思うのに。
(これを書いてて、その昔に貧乳派の友人に「貧乳と言うな、ないチチと呼べ!」と、どちらが破廉恥なのか分からないお叱りをうけたことを思い出しました。彼女にとって貧乳とはそこまでないものを差すそうで。そりゃ微乳では)

しかしやおいサイトで一体なにを力説しているのか(笑)

No.96 そろそろ
いよいよ時間的に危なくなってきたので、そろそろサイトは自重しようと思います。というか、すでに手遅れorz
まあなるようになるさ、と考えている時点でどうしもようもない……。
そんなわけで、昨日のガンダム00、非常に萌えたよ!という話。自重してない。



先週からルイスと沙慈のパートは痛くてつらかったんですが、今週もずしんと重かった……。
ルイス、あんなに我侭放題だったのに、芯がすごく強い子だ。

この事件が起こるまで、恐らく沙慈はなんらかの形でソレスタルビーングか彼らが起こす事件に巻き込まれるんだろうなーとは漠然と考えていたんですが、正直……ルイスのあまりの我侭と沙慈のヘタレっぷりにこの二人のシーン削ってくれorz、と思ってたんですけどね……(^^;)
一般市民の立場はよく現れてはいたんだと思うんですよ。
ニュースになるからソレスタルビーングの活動が気になるし、でも結局は遠い出来事としか捉えていない、という。ここにきて一気に彼にとっての現実になったわけで。痛い。
もちろんルイスの境遇は十分につらいし悲しいものなんですが、それが今までのあの幸せからの落差でより際立ったようで、こうなると今までの流れが全部意味を持ってくるなあ……と。
ルイスのママがどんな人かもわかっていて、その命が一瞬で呆気なく、たった一人の気まぐれで消えてしまった、ということも、ただ「ルイスのママ」とちらっと映像が出るよりぐっと重くなる。
ところで沙慈はお姉さんも危険領域に入ってますね。
恋人を深く傷つけられ、その上自分もたったひとりの家族を奪われるとかになるのかな……平凡で平穏だった世界が全部覆されそう……。

(この辺は、地球へ…のキースの人に対する絶望への布石と同じなんですが、違いがあるとしたらそれは枠の長さ……。地球へは2クールしかなかったからここに時間を割きすぎたことになって、明らかに尺が足りない詰め詰めになってしまったんですよね……。キースの絶望がよく伝わったことは大きいんですが、同時に2クールしかないことをもうちょっと念頭に置いて欲しかったです……)


閑話休題、ガンダムに戻って。
刹那のスローネ兄妹に対する憤りはすごく共感できます。ガンダム云々は別にして(笑)
そういう意味ではロックオンが一番共感できる?
刹那とティエリアは、もちろんあの行動が許容できないと言うこともあるんでしょうけれど、同時に「ガンダム(マイスター)であることを汚された」みたいな怒りがあるように思えて……。
刹那が斬りかかるシーンで、すっごくまじめなシーンなのに
「お前はガンダムではない!」
というたびに、頭に「?」と浮かぶスローネ兄妹を想像しちゃうんですよ(^^;)
刹那はマイスターというか、マイスター=ガンダムみたいなおかしなことを言っちゃうので、ときどきグラハムに向けるのとはまた違う、生ぬるい笑みを浮かべそうになります(笑)
ロックオンとの会話のときの
「この世に神はいない」
といい、あんまり会話が成立しない。むしろちょっと電波な匂いがする刹那が好きです(笑)

今回、ロックオンの仇である組織に刹那が所属していたことが発覚したわけですが、結果マイスター同士の絆が深まり、しかもティエリアまでが心を開き始めたことが嬉しかったです。
ここにアレルヤがいないのが残念~!
なんかティエリアは人工生命みたいな発言も出てきましたけど……。ガンダムお得意の強化人間はアレルヤとソーマがいるので、もしやこれは「無垢なる者」系統……?
アムロ……じゃない、リボンズもこの系統かと思うんですがどうだろう?


とりあえず、今回は刹那総受の私として楽しい回でした。本命はロク刹なんですが、グラ刹も大好きなので、グラハムがでなかったことだけが残念……。
ソレスタルビーイング内の分裂で、グラハムと共闘できないかなと期待。(むろん、一時的共闘。今このときだけは背中を預ける、みたいな)
地球文学館のちむさんからいただきました、親友バトンです。
バトン大好きです。しかもちむさん宅の、あほの子ジョミーと親友ですよ!
前長にあれだけいろいろされてもぴゅあvな少年と親友とは畏れ多い!
……本当にこの子と親友になれたら大変な気がしますが(笑)
設問はあほの子だとあんまりなので(笑)、14歳ジョミーで統一しております。

*ちなみにあほの子ジョミーのことは、地球文学館様の「3ジョミー」「ジョミー控え室より愛を込めて」にてわかりますv
14歳のジョミーと18歳のジョミーと31歳のジョミーであるシンが一堂に会して語り合うわけですが……。
私は14歳、18歳、31歳の三人のジョミーはもちろんですが、14歳ジョミーを見事に育てている(笑)ブルーも、シン(ソルジャー仕様、31歳)の不憫なブルーも大好きです。そしてやっぱり、比較的まともそうな18歳ジョミーのブルーも好きです。きっと一番安定しているのはここのカップルではないかと…。

■朝、携帯電話を開けて待受画面を見ると「今日から貴方は「14歳ジョミー」の親友です」

まずリオにジョミーと付き合う極意を聞きたいです(特にこのジョミーは! 笑)
それとも保護者の方にどこまで親密に親友でいていいのかお尋ねするべきですか!?


■次の瞬間、「14歳ジョミー」から遊びに行こうとメールが来た。どうする?

もちろん行きます。
青の間でもジョミー控え室でもシンの寝室でも、とにかくデジカメ持参……。どこで決定的ショットが撮れるかわかりませんからね!(それは親友の行為としてどうなのか)


■「14歳ジョミー」から恋愛相談のメールが来た。どうする? 

無理(笑)
だってあのブルーとの恋愛相談なんですよね!?無理無理無理!相談に乗れません!
悪い大人に騙されちゃだめよ~なんて言おうものなら……命あってのブルジョミ萌えですよ!
騙されて欲しい本音もありますし(笑)
ブルーが教えることに至っては、ブルーに聞いてくれとしか言えない……(^^;)
シンとは……恋愛というより、世話の焼けるしょうがない子への気遣い(しかしこれは小さな親切、大きななんとやら)なので、恋愛相談ならブルーとですよね?
うん、やっぱり無理!


■「14歳ジョミー」から着信がありました。どうする?

出ますよ、もちろん。できれば即出る。
何しろ14歳ジョミーはせっかちそう。せっかちというか、若さの勢い?
でもどんな話題が飛び出すかドキドキです。


■「14歳ジョミー」の家に呼ばれました。 

シャングリラ内なのはもちろんとして……ジョミーの部屋なのか、青の間なのかが非常に気になります。
いやだって、このジョミーは青の間に入り浸っているイメージが(笑)

 
■親友として一言。

たまにはおじーちゃんのことを疑って……。
たまにでいいから、本当にたまにで。


■親友を作ってあげたい5人を紹介して下さい。

すみません……アンカーで~。

 

た、楽しかった……。しかしこのジョミーを考えるとき、どうしてもその後ろにちらちらとブルーの姿が浮かぶんですが、どんだけですか長(笑)

No.94 黒と白
日付はすでに過ぎましたが、教授ブルーと学生ジョミー(まだ入学前の高校生)の続編で、バレンタイン小話。
……ジョミーが合格前ということになるので、続編ですが時間軸は逆回し。相変わらずぼや~とした設定のままです(^^;)




「……別に、分かってたことだけどさ」
書籍と紙で今にも雪崩が起きそうな部屋のデスクの上に、これまた雪崩が起きそうな適当さで色とりどりの可愛い包みが山と積み上げてあった。
ジョミーは面白くないとばかりに頬を膨らませて部屋に踏み込む。
「こんにちはー!教授、いますか?」
いるかと訊ねながら、研究室の扉は鍵が開いていたので在室しているのは分かっている。あとは起きているか、眠っているか。どこに埋もれているか、だ。
一度寝転んでいるブルーに気づかずに足に引っ掛かったときは、転んだ上から本が降ってきて酷い目にあった。
あのときはその後、ブルーが蒼白になってジョミーの安否を気遣い、あまりの心配ぶりについ怒り損ねたくらいだった。
けれど怪我はないかと手や顔を間近でジロジロと見回したのは視力が低いから仕方がないとして、痣はどうかとシャツを捲り上げて素肌の胸にまで触ってきたときはさすがに「何考えてるんですか!」と結局金切り声を上げてしまったんだった。
滑るように肌に触れた冷たい手を思い出してしまって、ジョミーは赤くなった頬をぺちりと叩く。
「何照れてるんだよ、ぼく。男同士だろ……」
思い出したものを振り切るように首を振った目に、デスクの上に山積みにされた綺麗な包みの数々が再び映って、弾んだ気持ちが一気に萎んだ。
「あー、もう!教授!どこですか!?」
時折床の本を拾いながら部屋を見て回ったジョミーは、机の影にも書籍でできたタワーの向こうにもブルーの姿が見えないことを確認して首を傾げる。
「……トイレかな?」
研究室に鍵をかけていなかったから、そう遠くへは行っていないはずだ。
とにかく座る場所を確保しようとソファーの上の本をいくつか本棚に直し、脱ぎっ放しで置いてあった皺だらけのジャケットに肩を落とした。
「ハンガーに掛けるくらいしたらいいのに!白衣は家でも洗えるよね……って、あの人がアイロン掛けするとは思えない……」
ジャケットはクリーニングに出すことに決めて、おざなりにでも白衣を畳んだジョミーはそれを鞄に詰めようとして、はたと手を止める。
「こんなの、彼女にでもやってもらえばいいんだよ。そんなのいないとか言ってたけど……」
目を横に向けると、デスクの上にはチョコレートの包みの山。
「……いくらでも候補はいそうだし」
なぜこんなにも、バレンタインデーにブルーが山とチョコレートを貰っていることにイライラするのか分からずに、ジョミーは溜息をついた。
「僻み根性だとは思いたくないんだけどなあ……」
こんな生活能力無能力者がもてるなんて、世の中理不尽だ。ジョミーは先輩ならまだしも、時折後輩にまで「可愛い」なんて言われてしまって、友人は多いけれどいまだに彼女を作れたこともない。
「でもあの美形でこのだらしなさというのが、案外女の人は受けるのかもしれない。完璧じゃないところがいいとかさ……」
悶々と考え込んでいると、そのうち腹が立ってくる。
何しろ今日は弁当を作る日でもないのに、ブルーから予定が空いていれば研究室へ来て欲しいと連絡があったから訪ねてきたのだ。
それなのに、呼び出した当人は不在。恐らく一時的な不在だとわかってはいるけれど……。
畳んだ白衣を握り締めて、ジョミーはムカムカと腹の底が気持ち悪くなってきて眉をひそめる。
「あーあ、もう弁当作ってくるのやめようかあ」
「それは困る」
背後から聞えた声に飛び上がって振り返れば、よれよれの白衣を引っ掛たブルーが、腕を組んで開けたままだった扉にもたれかかって立っていた。


「今日は制服なんだね。きちんと締めたネクタイがストイックな感じでとてもいい」
ブルーは軽く指先で眼鏡のフレームを上げながらにこにこと微笑み部屋に入ってくる。
「それにしても、そんな酷いことを言わなくてもいいじゃないか、ジョミー。僕が君の手料理しか食べられないことを知っていてそんなことを言うなんて」
「『しか』ってことはないでしょう、『しか』ってことは」
「でも、僕が料理を料理として味わえるのは君の料理だけだ」
嘆くように胸を手を当てて訴えるブルーにも心を動かされることもなく、ジョミーは肩を竦めた。
「味もみずに何にでもソースをかけるからでしょ」
珍しくジョミーが折れない様子を見て、ブルーはおやと首を傾げた。
「どうして怒っているんだい?」
「怒りもしますよ!なんですか、この本と紙の山!5日前に片付けたばっかりなのに!そりゃ確かにあなたには勉強を見てもらってますけど、その報酬としては重労働するぎるでしょう!?こんなの、彼女にでもやってもらえばいいんだ!」
「女性を労働力としてみるのはよくないよ、ジョミー」
「ものの例えだよ!」
片付けた端から散らかされるなんて、この数ヶ月で飽きるほど繰り返してきたのに、一体どうしてこんなに腹が立つのか不思議だったけれど、一度滑り出した口は止まらない。
「ぼく、もうここにくるのやめます!」
勢いで叫んで、あっと口を押さえる。
興奮して頭に昇っていた血が一気に下がるように身体が冷えて、蒼白になって恐る恐るとブルーに目を向けた。
その悲しそうな顔に、どくんと大きく心臓が跳ねる。
「あの……」
「君がいやだと言うのなら、強制することはできないね……」
ぽつりと呟かれた言葉に、ジョミーは手にしていた白衣を握り締める。
数字には強いと豪語するブルーは、確かに数学や物理や化学を分かり易く教えてくれる。けれどその代わりにこうやって頻繁に弁当を作ってきたり、研究室の掃除をしたりと大変なことも多い。来なくていいというのなら、もうそれでいいはずなのに、心の底で嫌だと嘆く声がする。
「けれど、少し落ち着いて、もう一度考えてくれないかい?そうだ、ひょっとすると空腹のせいでいらいらしているのかもしれない。そこの包みから、好きなものを選んで食べなさい」
ブルーが指を差しながら傍に来てデスクから取り上げたのは、チョコレートの包みのひとつだ。
「え、で、でもそれってバレンタインのチョコじゃ……」
「恒例だからと事務局の子たちからの義理だったり、レポートに添えて手心を少しだけ期待している生徒からとかのね」
そうして手にした包みをひらひらと振る。
「ほら、これなんて男子学生からの苦肉の策だ。これはよほどレポートの出来に自信がないのだろう」
レポートを見る前からその出来を暴露しているようなものだと笑うブルーに、ジョミーは一気に気が抜けたように、まだ片付けの終わっていないソファーに身体を投げ出すように座り込んだ。
「ジョミー!?どうしたんだい、貧血か?だったらやはり糖分を取ったほうがいい!」
ジョミーを仰向けにソファーに倒して上から圧し掛かるように、顔色を伺うどころかなぜか熱を測るように眼鏡を外しながら額に触れるブルーの赤い瞳との距離に、ジョミーは慌ててブルーとの間に手を挟む。
「だ、大丈夫です!平気!」
「そうかい……?」
なぜか少し残念そうな顔をしたブルーは、押し返されると眼鏡を掛け直しながら素直に起き上がった。ジョミーは続いて乱れた襟元を寄せながら起き上がり、放り出してしまったしわしわの白衣を手にする。
「……ごめんなさい、やっぱりお腹が減ってイライラしてたのかも。また……ここに来ても、いいですか?」
見上げると、ブルーはにっこりと微笑んで、ジョミーの隣に座りながらその頬を撫でた。
「もちろんだよ。君が来てくれたら嬉しい」
ブルーの微笑みに、ジョミーは嬉しくなって無意識に手にしていた白衣を抱き締める。
「とりあえず、今日のところは君を家まで送ろう。貧血を起こしているようだし」
「え……?い、いえ……大丈夫です」
ブルーの運転する車には以前に一度乗って大いに懲りていたジョミーは、視線を逸らしながら謝絶する。
「大丈夫です。それより、何が用事があってぼくを呼んだんじゃないんですか?」
ひょっとすると部屋の片付けを頼みたいのだろうかと部屋を見回せば、ブルーはテーブルに畳んで置いてあった皺の寄ったジャケットをちらりと見て軽く首を傾げる。
「君には日頃から世話になっているから、ランチかディナーでも一緒にどうかと思ったんだ」
「え!?奢ってくれるんですか?」
食べ盛りの少年の澄んだ翡翠色の瞳の輝きに、ブルーは微笑みながら頷いた。
「行くかい?大丈夫なら、僕のお勧めの店があるのだけど……」
「行きます!」
味音痴のブルーの勧める店と言われてもどれほどのものかは分からないけれど、自分が食べるなら質より量のジョミーだ。普段作ってくる弁当は、あくまで偏食な人のために考えているに過ぎない。
元気よく返事をしたジョミーに、ブルーは微笑みながら立ち上がる。クローゼットではなく窓際にかけていた皺のない背広を手にして、そのハンガーに白衣を代わりに掛けた。
「制服ならドレスコードにも掛からないだろう。さあ行こうか、ジョミー」
「え、ドレスコード……?」
聞きとがめて首を傾げたジョミーは、けれどブルーに肩を抱かれて強引に促され、手にしていた白衣を自分の鞄に詰めながら、研究室を後にした。


そして高級料理店でも調味料を所望するブルーに、
大変気まずい思いをするという……(^^;)

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