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日々の呟きとか小ネタとか。 現在は転生話が中心…かと。
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No.21 転生話6

書きたいものが多すぎて、手と頭が追いつかない(苦笑)
連載だけで転生もあわせると三つですが、肩の力が抜けすぎたあほっぽい話と、教育指導の続編とかそれ以外でのえちぃ話、どシリアスとネタがぐるぐる回って頭の中がカオスです……。
基本的に共通しているのは、ブルーがむっつりだということ。
……orz
ツンツンしている転生話の初期くらいは格好よくと思っていたのに、それもなかなか難しい……せめてむっつりじゃないからいいか、とか妥協です(笑)


転生話 第2話 第3話 第4話 第5話



ジョミー・マーキス・シン。
有名なミュウの二代目の長の名前。
一部ではSD体制を終わらせた英雄として、その名を語られている。


幼馴染みが先ほどの現場に残ったことにすぐに気が付いたが、ブルーは構わず先に登校した。
とにかく、面倒なことには関わりたくない。
激突された胸がずきずきと痛む。
ジョミー・マーキス・シンと名乗った少年。
そんな名前をつけるとは、ジョミーの両親か片親がミュウか、それともミュウ贔屓なのか。
どちらにしろ子供にその名を与えるほど英雄を敬愛しているのなら、きっとシンというファミリーネームであることにさぞや喜びを覚えただろう。そうでなくてミドルネームまでしっかり重ねるはずもない。
英雄にあやかって「ジョミー」の名をつける親は、多いとは言わないが少なくもない。
「ジョミー」という名は今では珍しいものでもなく、SD体制最後の国家元首「キース」の名も、それから数はぐっと減るが初代のミュウの長「ブルー」という名も同様だ。
しかし珍しくないからと言って、「ブルー」と「キース」と「ジョミー」が揃うなんて、なんの冗談だ。
不愉快にブルーの足取りが僅かに荒くなった。
大体、ブルーはミュウという種族自体があまり好きではない。
こう言うと幼馴染みはいつも、「でも例外はいますよね」と気にした様子もなく自分を指差す。自分と弟のマツカと、そして盲目の占い師フィシスの映像を。
マツカはともかく、リオはなぜブルーがミュウを嫌うか、その理由を知っているためそんな風に軽く受け流すのだ。

世間でミュウを嫌う人間の一般的な理由は、「自分の心を読まれるのではないか」という恐怖からの意見が半数以上を占める。
だが本来ミュウたちのその力は、他者と分かり合うためのものらしい。
人類が機械の支配から脱却してミュウの存在を認めるようになってからの三百年、そう思念について説いて、その上で自ら厳しい規則を設けて自分たちの力を制御していた時代もあったという。
すべては人と共に生きて行くために。
それでも、人間は自分とは異なるものを受け入れることに柔軟ではない。
ブルーの両親がそのくちだ。
だがブルーがミュウを嫌う理由は、もっと個人的で幼い八つ当たりに過ぎない。
思念が悪用されるのではないかという嫌悪でも、ソルジャー・アスカを始めとするたった四人しかいないタイプ・ブルーの強大な力に対する恐怖でもなく。
ほんの少し、自分を取り巻く状況が違えば嫌う理由もなかったくらい、ブルー以外のものからみれば些細な、だがブルーに取っては耐え難いこと。
なぜ両親は、ブルーに「ブルー」の名をつけたのだろう。
ミュウを嫌っているくせに。
そしてそんな疑問さえも、直接両親に問うたことはない。

「見て、あの髪の色、珍しいよね」
指を差されることに慣れた今では、聞こえた声にいちいち反応することもなかったというのに、ぼんやりと考え込んでいたせいで、つい声のした方を振り返ってしまった。
振り返った視線の先にいた三人組の少女たちが、ブルーと目が合った途端に短い歓声を上げて手を取り合う。
そこには否定的な様子はなく、どうやら一年次生かと眉を潜めて足を速めた。
周囲を取り巻く環境が、身に纏わり付くようで不愉快だ。早く人の合間に埋没してしまいたい。毎年、一年の始まりは憂鬱だ。

足を速めたところで、また胸が痛んだ。背中の痛みは随分と引いたのに、胸のほうは呼吸の度に鈍く疼く痛みがなかなか消えない。ひょっとすると肋骨を痛めた可能性もある。
もしも怪我をしていたら、と聞いてもいないのに名乗った少年のことを思い出した。
ジョミー。
ジョミー・マーキス・シン。
ごく一部を除いてミュウに良い感情を持たないブルーには、あまり耳に心地の良い響きではない。
……そのはずだった。
だが不思議なことに、それが明らかにミュウの先代の長を意識してつけられたと分かるはずのあのジョミーに対してだけは、込み上げるはずの面白くないという感情が起こらない。
何故だろう。

「ブルー……」
そう呼んだジョミーの声は僅かに震えていた。すぐ傍から見上げた瞳は、綺麗な翡翠色。
今まで何人か遭遇したことのある「ジョミー」は、ブルーの名前を聞くと「ブルーとジョミー」の取り合わせに喜んだりひとしきり笑い転げたりしたものだ。
だがあのジョミーは、今まで見たどの反応とも違う。
痛みを堪えるような、湧き上がる歓喜を堪えるような、それとも、まるで目の前のものを信じ切れていないような、そんな目をして。
「本当に、あなたなの?」
不可解なことを口にした。
「………待て」
見えてきた校門に、さっさと教室に入ってしまおうと更に足を速めるつもりだったブルーは思わず立ち止まる。
「あいつ、なんで僕の名前を知っていたんだ……?」
名乗ってなどいないというのに。

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