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日々の呟きとか小ネタとか。 現在は転生話が中心…かと。
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No.16 転生話3

えー、この話のジョミーですが、女の子でいくことにしました。
女の子ジョミーが駄目な方には中途半端なところで宣言となって申し訳ないのですが、最初にそうなるかも~と書いていたということで……。

しかしここで女の子と宣言すると、初期展開のネタバレになっているという。
前回の冒頭に書いていた通り、転生した人たちは前世とほぼマンマの容姿をしておりますので、ベタな展開が待っております(笑)

とにもかくにも、まず3話目。ここから一気に登場人物が増えます~。
ジョミーは多分……次で登場できるかと。
このブルーは色々捩れています。それにしてもおかしな取り合わせ(笑)



家を出てしばらく進み、大通りまで出ると人の波に方向性ができる。
その波のうちのひとつはブルーと同じ年代の子供が作るもので、行く先はほぼ同じだ。
今日から新学期。
母の言葉を思い返して憂鬱な気分になった。
新学期、新学年。新入生も入ってくる。またしばらくの間は見世物だ。
銀の髪も赤い瞳も、自分の他に見たことがない。それは周囲にとってもブルー以外には見たことがないわけで、どうしても人目を集めてしまうのだ。否応もなしに。
それが酷く煩わしい。

ふと、横の角から黒のジャケットを翻して三つ年下の顔見知りが大通りに合流した。
あちらもブルーに気がついて、互いに視線が合ったがそれだけだ。
軽く目だけで挨拶をしたような、しなかったような、そんな様子で同じ方向へ向かう。
傍から見れば顔見知りだとは思わないほどの素っ気無く、二人揃って無言で歩いていると別の角からひょいと友人が現れた。
「やあ、おはようございます、ブルー」
「……おはよう」
それだけを返してまた気だるげに歩くブルーの横に並んだ幼馴染みは、素っ気無い態度にも気を悪くした様子もなく、眼鏡の向こうで優しげな目を細めて苦笑を漏らすだけだ。
そしてその弟は、同い年の友人の隣へとくっついた。
「おはようございます、キース」
「ああ、おはようマツカ」
背筋をピンと伸ばして歩くキースの返礼は、ブルーとは違い堅苦しいまでにきびきびとしている。
「相変わらずですね、二人とも。せっかく一緒に歩いているのに、まったく口も利かないなんて」
リオが呆れたような、いっそ感心するようなという様子で笑う。
隔意とまではいかなくとも、キースのほうには色々と思うところがあるようだが、ブルーからはキースに対して何の感慨もない。
「別に」
「話すこともないだけだ」
やはり揃ってにべもない返答をされて、リオは肩を竦めて息をついた。
「そうそう、それなら僕から提供する話題が……」
リオがごそごそと緑のコートのポケットを探っているうちにも、周囲からひそひそと小さな話し声と視線が集まってきていた。

ブルーがちらりと目を向けると、こちらを見て何かを話していた二人の女の子が顔を赤らめて小さな歓声のような短い声を上げる。
他にもこちらを見て声を潜めている集団がいくつもあって、ブルーは早々に予想通りの展開が見えた気がして溜息をついた。
「毎年毎年……」
愛想よく笑ったりしなければ、好奇の視線に対して睨みもせず、ブルーは気だるげな歩調のままで特に態度を変えることもない。
銀の髪に赤い目と、小さな頃は指を差されるたびに逃げるように足を速めたが、もうすっかり慣れてしまった。好奇の目にも、嫌悪の目にも。
「新入生でしょうか」
「だろうな」
あの反応はと傍で遠慮もなく言う友人は、本当に友人なのだろうか。
制服のない学校だったおかげで、一見しただけでは学年など分かりはしない。だがブルーに対する視線は、ある程度それを振り分けるのに役に立つ。特に女生徒は顕著に。
古馴染みの友人のうち、兄はそんな周囲のブルーへの態度に既に慣れきっているのに、その弟は気が優しいのか弱いのか、気を遣うような視線を向けてくる。
それが哀れみから来る同情なら反発もできるのに、マツカの場合は心根が優しいだけだと知っていることが、より厄介だった。
ブルーは軽く舌打ちして鞄の紐を引いて肩に掛け直した。

「ひとつ、先に言っておくが」
そんな中、友人の弟の、そのまた友人という微妙な立場の少年は、むしろこちらこそが昔からの馴染みのように遠慮の欠片もない。
「去年のような騒ぎを起こさないように心掛けてもらえるだろうか」
「君に何か迷惑をかけたか……ああ、そういえば学年代表だったな」
ブルーが絡むことで起こる騒動は、同学年ではほとんどと言っていいほどない。
キースが言った騒動とは、黙っていれば貴公子然としたその容姿に、勝手に憧れて勝手に盛り上がった下級生が告白なんてものをやってきて、ブルーがそれを手酷くあしらうことに端を発することが半数以上を占める。
去年が一年次だったキースは学年代表だったこともあって、大きな騒ぎに発展したときはその耳に原因のことも伝わっていたのだろう。何度か苦言を呈された。
強い抗議でなかったのは、一方的にブルーに問題があったわけではなかったからだ。まったく、三つも年下の癖に、妙に冷静で公正なので嫌になる。
「僕に言われても知らないな。それにキースは今年は二年次だ。一年もの期間があって、同じ愚を繰り返すような奴の短絡まで僕のせいにされてはたまらない」
優秀な少年はどうせ今年も学年代表だろうという認識で返すと、どうやら本人もそのつもりのようだった。
「一年次の女生徒が貴様に熱を上げるのは目に見えているという話だ」
「それこそ僕の知った話か」
導く後輩たちのことまで、今から気に掛けているのかと、いっそご立派な志に呆れるブルーに、去年の苦い思い出が蘇ったのかキースの目が険しくなったところで、リオがポケットから携帯モバイルを取り出して開いた。
「不毛な会話はこの辺りで終わりにして。シャングリラが地球を出発したというニュースは見ましたか?」
キースはともかく、リオがブルーの地球への興味を知らないはずはないので、これは完全に話題を変えにかかっただけだろうと、その気配りにブルーは皮肉めいた苦笑を頬に昇らせた。

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