日々の呟きとか小ネタとか。
現在は転生話が中心…かと。
No.36 緋色の椅子(前編)
Category : 小話・短文
またダブルパロ(^^;)
緋色の椅子パロ。ジョミシン書きたい……とか思ったら我慢できなくなりました。
いや、ブルジョミなんですが、緋色パロだとジョミシンっぽくもあっていいよね、と……。
前後編の前編。続きはすぐに。
ぼくはブルーがいてくれたら他には何もいらなかった。
ブルーが傍に居て、笑ってくれるならそれだけで、お腹一杯の食事も、綺麗な服も、薪の量を気にしない赤々と火を灯した暖かい部屋も、いらなかった。
ただブルーがいてくれたら。
そんなこと、いつでも言えると思っていたんだ。
ずっと隣にいたから。
「ジョミー……ここでお別れだ」
後ろに背の高い体格の良い男を従えて、ブルーはまっすぐにジョミーを見て言った。
ジョミーは激しい動悸に胸を押さえて服を握り締める。
ブルーの瞳に迷いはない。
偶然聞いてしまった話。
ブルーの後ろに立つ男は、ハーレイとその名を名乗ると、ブルーの前に膝を着いて頭を垂れて言った。
「お迎えに上がりました、ブルー様。あなたこそ、国王陛下の血を引く唯一のお方。どうぞ私と一緒に王都へ。そして緋色の玉座をその手に」
ブルーは辺境の片田舎のアタラクシアでジョミーと一緒に育った、ただの子供のはずだ。だが纏う雰囲気が、他の誰とも違い気高く清廉であったことも、否定できない。
赤ん坊を抱えてひとり村に流れ着いたブルーの母親。
では、父親は?
木陰で偶然話を聞いてしまったジョミーは、声もなく立ち尽くしていたのに、ブルーはまるで初めからそこにジョミーがいることを知っているように振り返り、そして言った。
荷車に揺られてうとうとと居眠りをしていたジョミーは、五年前の記憶の夢から目を覚ました。
「おーい坊主、もうすぐ王都だぞ」
目を覚ましたところで、前の粗末な御者台から声を掛けられる。途中で道行が同じだからと、荷台に乗せてくれた男の声に、ジョミーは髪についた藁を払い落としながら起き上がる。
「……随分賑やかだ。さすが王都だな」
王都が近くなった道中は、行き交う人も多くジョミーが乗せてもらっている他にも幌をつけた立派な荷馬車がたくさん走っている。
「最近はな。以前は王都周辺も荒れたもんだったよ。この間即位した新国王が、王位継承者として現れてから良くなったのさ」
新国王。
夢に見たばかりのことに、ジョミーは胸を震わせる。
「しかしいい時期に来たな、坊主。もうすぐブルー陛下のお披露目がある。この日ばかりは俺たち民草にも姿をお見せくださるから、上手くすれば坊主も一目だけでも拝見できるかもしれないぞ」
「………うん、そうだね」
ジョミーは涙を堪えて頷いた。
彼は約束を守った。本当に即位を果たした。
五年前、村を出るときに彼は言った。
「ジョミー、僕は王都へ行く。行って必ず緋色の椅子を手に入れる。そして君の元まで、僕の名前を伝えてみせるよ」
ジョミーは開放された王宮の前庭に進みながら、果たされた約束に小さく笑みを浮かべた。
王宮のバルコニーから国民に顔を見せるという、たった一瞬。その一瞬のためにここまで来た。
五年間、王都までの旅費を貯めるために必死に働いたのも、剣の腕を磨いて村の小さな武術大会の大した額でもない賞金も貯めたことも、すべてはこの一瞬のため。
彼が王となり、この王宮で幸せに暮らすのだと確認したら、それでもう満足だ。村に居たとき、ブルーはそんなに身体が丈夫ではないのにいつもジョミーを守ってくれた。
だから、彼が幸せになるならそれでいい。
人の押し合う前庭で、ジョミーがそっと微笑んでいると周囲がわっと騒がしくなる。
「陛下だ、新王陛下だ!」
「ブルー陛下万歳っ!」
次々と周囲から上がる歓声に、ジョミーはゆっくりと顔を上げる。一目ブルーの顔を見たら、すぐにアタラクシアへ帰ろう。もう、手の届かない人なのだから。
あの美しい銀の髪と赤い瞳を求めてバルコニーを見上げたジョミーの目に映ったのは、自分と同じ金の髪と緑色の瞳をした青年の姿だった。
ブルーではない青年が、王の服を纏い、微笑みを浮かべて手を振って歓声に応えている。後ろに控えているのはあの時村にブルーを迎えに来たハーレイだ。
「だ………っ」
ジョミーの背中を、駆け抜けた激情。
「誰だ、お前えぇーっ!!」
「くそっ!どういうことだっ!」
歓声にかき消されたはずのジョミーの声を、青年は確かに捉えた。
一瞬だけだが、確かにジョミーをまっすぐに見て、そして顔色を変えた。間違いない、彼はジョミーに気づいていた。
ブルーの名を騙る偽物に詰め寄ってやりたくても、王宮の前庭に集まった民衆は王のお披露目が終わると例外なく追い出され、隙を突くことすらできなかった。
王宮の周りをぐるぐると徘徊しながら、どうにか忍び込めないかと隙を探すが、当たり前だがそんな隙など見つけるはできない。
「ジョミー」
耳に残る優しい声。
繋いだ手の暖かさを覚えている。
ジョミーと同じように泥まみれで働いていても、綺麗な人だった。銀の髪も、赤い瞳も大好きだった。
―――ブルー。君が幸せになると信じたから、あの時見送ったのに。
滲みかける涙を拭い、必ず真意を確かめると城を見上げる。
仇を射るように城を睨み付けるジョミーは、大きく息を吐いてもう一度城に忍び込む手を捜すために踏み出した。
「ジョミー」
低い男の声に、驚いて振り返る。
聞き覚えがあると思った通り、立っていたのはブルーを迎えに来て、偽のブルーの傍に立っていた男。
「ハーレイさん……」
「……陛下がお待ちです。こちらへ」
それは誰のことだ。
ジョミーが強く睨みつける視線に、ハーレイは目を伏せて何も言わずに先に立って歩き出した。
緋色の椅子パロ。ジョミシン書きたい……とか思ったら我慢できなくなりました。
いや、ブルジョミなんですが、緋色パロだとジョミシンっぽくもあっていいよね、と……。
前後編の前編。続きはすぐに。
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ぼくはブルーがいてくれたら他には何もいらなかった。
ブルーが傍に居て、笑ってくれるならそれだけで、お腹一杯の食事も、綺麗な服も、薪の量を気にしない赤々と火を灯した暖かい部屋も、いらなかった。
ただブルーがいてくれたら。
そんなこと、いつでも言えると思っていたんだ。
ずっと隣にいたから。
「ジョミー……ここでお別れだ」
後ろに背の高い体格の良い男を従えて、ブルーはまっすぐにジョミーを見て言った。
ジョミーは激しい動悸に胸を押さえて服を握り締める。
ブルーの瞳に迷いはない。
偶然聞いてしまった話。
ブルーの後ろに立つ男は、ハーレイとその名を名乗ると、ブルーの前に膝を着いて頭を垂れて言った。
「お迎えに上がりました、ブルー様。あなたこそ、国王陛下の血を引く唯一のお方。どうぞ私と一緒に王都へ。そして緋色の玉座をその手に」
ブルーは辺境の片田舎のアタラクシアでジョミーと一緒に育った、ただの子供のはずだ。だが纏う雰囲気が、他の誰とも違い気高く清廉であったことも、否定できない。
赤ん坊を抱えてひとり村に流れ着いたブルーの母親。
では、父親は?
木陰で偶然話を聞いてしまったジョミーは、声もなく立ち尽くしていたのに、ブルーはまるで初めからそこにジョミーがいることを知っているように振り返り、そして言った。
荷車に揺られてうとうとと居眠りをしていたジョミーは、五年前の記憶の夢から目を覚ました。
「おーい坊主、もうすぐ王都だぞ」
目を覚ましたところで、前の粗末な御者台から声を掛けられる。途中で道行が同じだからと、荷台に乗せてくれた男の声に、ジョミーは髪についた藁を払い落としながら起き上がる。
「……随分賑やかだ。さすが王都だな」
王都が近くなった道中は、行き交う人も多くジョミーが乗せてもらっている他にも幌をつけた立派な荷馬車がたくさん走っている。
「最近はな。以前は王都周辺も荒れたもんだったよ。この間即位した新国王が、王位継承者として現れてから良くなったのさ」
新国王。
夢に見たばかりのことに、ジョミーは胸を震わせる。
「しかしいい時期に来たな、坊主。もうすぐブルー陛下のお披露目がある。この日ばかりは俺たち民草にも姿をお見せくださるから、上手くすれば坊主も一目だけでも拝見できるかもしれないぞ」
「………うん、そうだね」
ジョミーは涙を堪えて頷いた。
彼は約束を守った。本当に即位を果たした。
五年前、村を出るときに彼は言った。
「ジョミー、僕は王都へ行く。行って必ず緋色の椅子を手に入れる。そして君の元まで、僕の名前を伝えてみせるよ」
ジョミーは開放された王宮の前庭に進みながら、果たされた約束に小さく笑みを浮かべた。
王宮のバルコニーから国民に顔を見せるという、たった一瞬。その一瞬のためにここまで来た。
五年間、王都までの旅費を貯めるために必死に働いたのも、剣の腕を磨いて村の小さな武術大会の大した額でもない賞金も貯めたことも、すべてはこの一瞬のため。
彼が王となり、この王宮で幸せに暮らすのだと確認したら、それでもう満足だ。村に居たとき、ブルーはそんなに身体が丈夫ではないのにいつもジョミーを守ってくれた。
だから、彼が幸せになるならそれでいい。
人の押し合う前庭で、ジョミーがそっと微笑んでいると周囲がわっと騒がしくなる。
「陛下だ、新王陛下だ!」
「ブルー陛下万歳っ!」
次々と周囲から上がる歓声に、ジョミーはゆっくりと顔を上げる。一目ブルーの顔を見たら、すぐにアタラクシアへ帰ろう。もう、手の届かない人なのだから。
あの美しい銀の髪と赤い瞳を求めてバルコニーを見上げたジョミーの目に映ったのは、自分と同じ金の髪と緑色の瞳をした青年の姿だった。
ブルーではない青年が、王の服を纏い、微笑みを浮かべて手を振って歓声に応えている。後ろに控えているのはあの時村にブルーを迎えに来たハーレイだ。
「だ………っ」
ジョミーの背中を、駆け抜けた激情。
「誰だ、お前えぇーっ!!」
「くそっ!どういうことだっ!」
歓声にかき消されたはずのジョミーの声を、青年は確かに捉えた。
一瞬だけだが、確かにジョミーをまっすぐに見て、そして顔色を変えた。間違いない、彼はジョミーに気づいていた。
ブルーの名を騙る偽物に詰め寄ってやりたくても、王宮の前庭に集まった民衆は王のお披露目が終わると例外なく追い出され、隙を突くことすらできなかった。
王宮の周りをぐるぐると徘徊しながら、どうにか忍び込めないかと隙を探すが、当たり前だがそんな隙など見つけるはできない。
「ジョミー」
耳に残る優しい声。
繋いだ手の暖かさを覚えている。
ジョミーと同じように泥まみれで働いていても、綺麗な人だった。銀の髪も、赤い瞳も大好きだった。
―――ブルー。君が幸せになると信じたから、あの時見送ったのに。
滲みかける涙を拭い、必ず真意を確かめると城を見上げる。
仇を射るように城を睨み付けるジョミーは、大きく息を吐いてもう一度城に忍び込む手を捜すために踏み出した。
「ジョミー」
低い男の声に、驚いて振り返る。
聞き覚えがあると思った通り、立っていたのはブルーを迎えに来て、偽のブルーの傍に立っていた男。
「ハーレイさん……」
「……陛下がお待ちです。こちらへ」
それは誰のことだ。
ジョミーが強く睨みつける視線に、ハーレイは目を伏せて何も言わずに先に立って歩き出した。
No.35 ガンダム00
Category : 未選択
ビデオに撮っていた分を見て悶絶。
第何話か忘れたんですが、今週、いやーやっぱりグラハム・エーカーがすっごく好きです。なんだろう、あの人。すごく愛しい(笑)
ガンダムはセリフ回しが独特の人が多いのですが、グラハムはホントにガンダムの人らしい。
でも「敢えて言おう」の後に続くのは「勝つであると!」じゃないと!(笑)
しかし実際「敢えて言おう」で自分の名前を名乗るのはいかがなものか(^^;)
あー、グラハム楽しい。名言集とか出してくれないだろうか。
あと、前々から自分はそうであると思っていましたが、今週最後でガツンとロク刹にやられました。
うーあー、青年と少年の取り合わせは大好物であるのに、そこにうな垂れる少年と、その少年を痛ましく見守る青年という図には、もう無条件降伏……。
「刹那……」とエクシアを見下ろしながら呟くロックオンが、もうもう!!
どんだけ刹那好きなんだお前ー!(妄想です)
いや、しかし書かない。書けない。テラで今のところ手一杯。連載もあるし、書いていいよと言ってもらえたジョミシンも早く書きたいのに時間があるかー!
……ネタが振ってきて暴力的に暴れない限りは書かない(意志弱い)
恐ろしいことに振って湧いた時のネタは、まずそれを吐き出さないと他に何にも手がつかなくなるので恐いんですよね…。
00はグラハムさんの名言に笑うだけにしておきたい。
しかし刹那の「俺はガンダムになれない」も名言です(ガンダムマイスター、じゃなくてガンダムって)
第何話か忘れたんですが、今週、いやーやっぱりグラハム・エーカーがすっごく好きです。なんだろう、あの人。すごく愛しい(笑)
ガンダムはセリフ回しが独特の人が多いのですが、グラハムはホントにガンダムの人らしい。
でも「敢えて言おう」の後に続くのは「勝つであると!」じゃないと!(笑)
しかし実際「敢えて言おう」で自分の名前を名乗るのはいかがなものか(^^;)
あー、グラハム楽しい。名言集とか出してくれないだろうか。
あと、前々から自分はそうであると思っていましたが、今週最後でガツンとロク刹にやられました。
うーあー、青年と少年の取り合わせは大好物であるのに、そこにうな垂れる少年と、その少年を痛ましく見守る青年という図には、もう無条件降伏……。
「刹那……」とエクシアを見下ろしながら呟くロックオンが、もうもう!!
どんだけ刹那好きなんだお前ー!(妄想です)
いや、しかし書かない。書けない。テラで今のところ手一杯。連載もあるし、書いていいよと言ってもらえたジョミシンも早く書きたいのに時間があるかー!
……ネタが振ってきて暴力的に暴れない限りは書かない(意志弱い)
恐ろしいことに振って湧いた時のネタは、まずそれを吐き出さないと他に何にも手がつかなくなるので恐いんですよね…。
00はグラハムさんの名言に笑うだけにしておきたい。
しかし刹那の「俺はガンダムになれない」も名言です(ガンダムマイスター、じゃなくてガンダムって)
No.34 太陽の花(転生話11)
Category : 転生話
サイト転載にあたって転生話にタイトルをつけました。ついでに目次もまとめました。どこまで話が伸びるのか分からないので、縦長対策に見にくい横並び目次です(苦笑)
このペースだと完結までには100話くらいは軽く費やされる予感。1話ずつが短いとはいえ…orz
ところで今話でブルーの捏造ファミリーネームが出ます。
ジョミー以外はなるべくみんなファミリーネームを出す事態を避けているのですが(苦笑)、さすがにブルーくらいはどのみち避けては通れまい、と。しかし話が伸びるほど避けられない人が増えて行くような気もします……(^^;)
ブルーはそれこそブルーカラーの中から選んでみました。アクアブルーとかインディゴブルーとかの、○○ブルーの○○の部分。なんて無理やりな。
できればキースのファミリーネームもあんまり出したくないところなんですが……出れば間違いなくアニアンです(他に考えられない…)
目次はこちら
校医に連れ戻されたジョミーは、強引に椅子に落ち着けられた。
だが本人は赤い血を流す膝の怪我より、ブルーの方が気になるらしい。
「ねえ、どこを怪我したの?」
校医に足を掴まれて身動きできないとなると、上半身だけでもとこちらへ身を乗り出す。
横を見ると、こういったときに愛想よく相手をするはずの友人はなぜか遠慮するようにジョミーに背を向けていて、ブルーは溜息をついた。
「別に……」
返答になっていない答えを返しながら、手当てを受けるジョミーを上から下までしげしげと眺める。
受け止めたときは衝撃があったからともかく、確かに体重はそれほど重くはなかったが、すらりと伸びた白い足は、ふくらはぎと太股が柔らかそうに少しだけふっくらとしているだけで、全体的には思ったより華奢だ。
ジャケットを脱いだ下は白いシャツを身に着けていたらしく、スパッツの黒とちょうど対になっている。
肩も随分小さくて細い。あれは袖を捲くれば腕もきっと折れそうに細いに違いない。
今年入学ということは、今はまだ十三歳なのだろうから頼りない子供体型で当然と言えば当然だ。
だが……。
ふと、少年に違和感を感じたところで、ごほんと咳払いが聞えた。
「そうあまりジロジロと見るものではありません。リオを見習いなさい」
膝の血を消毒液をつけた脱脂綿で拭い去った校医は、ブルーを見て叱るように目に力を込めた。
リオを見習えと言うと、たかがズボンを脱いでいるだけで遠慮をして背中を向けろということか。
下着まで脱いでいるならともかく、そこまでする必要は感じなかったが、男の足なんて眺めたいのかと思われるのも遠慮したいのでブルーも背を向けた。
「別にそんなのいいのに。ねえ、それよりブルー……先輩、本当にどこも悪くないの?だったらどうしてここに……」
「君には関係ないと言った。もし責任を感じるというのなら、僕に構うな」
放っておいてくれと告げると、さすがに背中越しの声は黙り込んだ。
だが代わりに校医が呆れたと声を上げる。
「そのような冷たい言い方をしなくてもよいでしょう!あなたは今年で最上級生になるのですよ。下級生に優しくして導いてあげこそすれ、そのような態度……!」
「い、いいんです、エラ先生。ぼくがしつこくしたのがいけないんですから」
「聞きましたか、ブルー・イリアッド!新入生に気を遣わせて情けないと思わないのですか」
勝手に慌てて勝手に反省したことまで、こちらに当てこすられても知ったことか。
ブルーは背を向けたまま肩を竦めた。
「風向きが悪いようだ。僕はこれで」
校医を怒らせたことを幸いと、さっさと出て行ってしまおうとすると、その腕をリオに掴まれる。
「だめですよ。肋骨の辺りが痛いなんて、ヒビでも入っていたらどうするんです」
「肋骨?ヒビ!?そんな……っ」
「ジョミー・マーキスー・シン!少しはじっとなさい!式までに手当てが終わらないでしょう!」
また暴れたらしいジョミーもぴしゃりと叱られた。こちらは被害者なのだから、それでもお相子だとは思わないが、それにしても無謀な事をする割りには随分とその結果に責任を感じるものだ。得てして、無鉄砲な子供は責任を重く捕らえないからこそ無茶を繰り返すものだろうに。
いつまでも気に掛けて纏わりつかれるのも面倒で、ブルーは横目でリオを睨みながら溜息を零した。
「リオが強引で大袈裟なだけで、少し痛む程度だ」
「大袈裟かどうかは私が判断します。さ、ジョミーは服を調えなさい。ブルーはこちらのベッドに横になって」
衣擦れの音のする場所からコツコツと低いヒールが音を立てて離れて、ブルーは言われるままに仕方なしにそちらへ向かった。
こうなったらさっさと検査を済ませてしまった方が面倒が少ない。
どうせ大した傷ではないと思っていたからこその判断で、ブルーは示されたベッドに上がって仰向けに寝転ぶ。
胸の上の辺りに、身体には触れずに手をかざされた。
医者とミュウを嫌うブルーにとって、この学校の校医はまさしく鬼門だ。何しろミュウで医者なのだから。
「……あなたは……相変わらずサイオンの干渉を拒みますね。身体の力を抜いてリラックスなさい」
校医は眉を寄せて溜息をついた。
「体内のリズムを見ているだけです」
「拒んでいるつもりはありません」
実際、さっさと終わらせてしまいたいブルーに拒む意思はない。だが嫌いなものに対する拒絶反応まで制御できないし、できたとしてもする気もない。
傍で検査を見ていたリオの隣に、茶色のジャケットを羽織り直したジョミーがひょいと顔を出した。
目が合った途端に、自然とブルーの眉間に皺が寄る。
一体なんだというのだ。
そんなに心配そうな顔をして。
結果的に睨みつけられたようなものになるのに、ジョミーは少しだけ悲しそうに目を伏せただけで、立ち去りもせずに何も言わずに検査が終わるのを待っていた。
このペースだと完結までには100話くらいは軽く費やされる予感。1話ずつが短いとはいえ…orz
ところで今話でブルーの捏造ファミリーネームが出ます。
ジョミー以外はなるべくみんなファミリーネームを出す事態を避けているのですが(苦笑)、さすがにブルーくらいはどのみち避けては通れまい、と。しかし話が伸びるほど避けられない人が増えて行くような気もします……(^^;)
ブルーはそれこそブルーカラーの中から選んでみました。アクアブルーとかインディゴブルーとかの、○○ブルーの○○の部分。なんて無理やりな。
できればキースのファミリーネームもあんまり出したくないところなんですが……出れば間違いなくアニアンです(他に考えられない…)
目次はこちら
校医に連れ戻されたジョミーは、強引に椅子に落ち着けられた。
だが本人は赤い血を流す膝の怪我より、ブルーの方が気になるらしい。
「ねえ、どこを怪我したの?」
校医に足を掴まれて身動きできないとなると、上半身だけでもとこちらへ身を乗り出す。
横を見ると、こういったときに愛想よく相手をするはずの友人はなぜか遠慮するようにジョミーに背を向けていて、ブルーは溜息をついた。
「別に……」
返答になっていない答えを返しながら、手当てを受けるジョミーを上から下までしげしげと眺める。
受け止めたときは衝撃があったからともかく、確かに体重はそれほど重くはなかったが、すらりと伸びた白い足は、ふくらはぎと太股が柔らかそうに少しだけふっくらとしているだけで、全体的には思ったより華奢だ。
ジャケットを脱いだ下は白いシャツを身に着けていたらしく、スパッツの黒とちょうど対になっている。
肩も随分小さくて細い。あれは袖を捲くれば腕もきっと折れそうに細いに違いない。
今年入学ということは、今はまだ十三歳なのだろうから頼りない子供体型で当然と言えば当然だ。
だが……。
ふと、少年に違和感を感じたところで、ごほんと咳払いが聞えた。
「そうあまりジロジロと見るものではありません。リオを見習いなさい」
膝の血を消毒液をつけた脱脂綿で拭い去った校医は、ブルーを見て叱るように目に力を込めた。
リオを見習えと言うと、たかがズボンを脱いでいるだけで遠慮をして背中を向けろということか。
下着まで脱いでいるならともかく、そこまでする必要は感じなかったが、男の足なんて眺めたいのかと思われるのも遠慮したいのでブルーも背を向けた。
「別にそんなのいいのに。ねえ、それよりブルー……先輩、本当にどこも悪くないの?だったらどうしてここに……」
「君には関係ないと言った。もし責任を感じるというのなら、僕に構うな」
放っておいてくれと告げると、さすがに背中越しの声は黙り込んだ。
だが代わりに校医が呆れたと声を上げる。
「そのような冷たい言い方をしなくてもよいでしょう!あなたは今年で最上級生になるのですよ。下級生に優しくして導いてあげこそすれ、そのような態度……!」
「い、いいんです、エラ先生。ぼくがしつこくしたのがいけないんですから」
「聞きましたか、ブルー・イリアッド!新入生に気を遣わせて情けないと思わないのですか」
勝手に慌てて勝手に反省したことまで、こちらに当てこすられても知ったことか。
ブルーは背を向けたまま肩を竦めた。
「風向きが悪いようだ。僕はこれで」
校医を怒らせたことを幸いと、さっさと出て行ってしまおうとすると、その腕をリオに掴まれる。
「だめですよ。肋骨の辺りが痛いなんて、ヒビでも入っていたらどうするんです」
「肋骨?ヒビ!?そんな……っ」
「ジョミー・マーキスー・シン!少しはじっとなさい!式までに手当てが終わらないでしょう!」
また暴れたらしいジョミーもぴしゃりと叱られた。こちらは被害者なのだから、それでもお相子だとは思わないが、それにしても無謀な事をする割りには随分とその結果に責任を感じるものだ。得てして、無鉄砲な子供は責任を重く捕らえないからこそ無茶を繰り返すものだろうに。
いつまでも気に掛けて纏わりつかれるのも面倒で、ブルーは横目でリオを睨みながら溜息を零した。
「リオが強引で大袈裟なだけで、少し痛む程度だ」
「大袈裟かどうかは私が判断します。さ、ジョミーは服を調えなさい。ブルーはこちらのベッドに横になって」
衣擦れの音のする場所からコツコツと低いヒールが音を立てて離れて、ブルーは言われるままに仕方なしにそちらへ向かった。
こうなったらさっさと検査を済ませてしまった方が面倒が少ない。
どうせ大した傷ではないと思っていたからこその判断で、ブルーは示されたベッドに上がって仰向けに寝転ぶ。
胸の上の辺りに、身体には触れずに手をかざされた。
医者とミュウを嫌うブルーにとって、この学校の校医はまさしく鬼門だ。何しろミュウで医者なのだから。
「……あなたは……相変わらずサイオンの干渉を拒みますね。身体の力を抜いてリラックスなさい」
校医は眉を寄せて溜息をついた。
「体内のリズムを見ているだけです」
「拒んでいるつもりはありません」
実際、さっさと終わらせてしまいたいブルーに拒む意思はない。だが嫌いなものに対する拒絶反応まで制御できないし、できたとしてもする気もない。
傍で検査を見ていたリオの隣に、茶色のジャケットを羽織り直したジョミーがひょいと顔を出した。
目が合った途端に、自然とブルーの眉間に皺が寄る。
一体なんだというのだ。
そんなに心配そうな顔をして。
結果的に睨みつけられたようなものになるのに、ジョミーは少しだけ悲しそうに目を伏せただけで、立ち去りもせずに何も言わずに検査が終わるのを待っていた。
No.32 転生話10
Category : 転生話
10話になっても大して話が進んでないってどうしよう(^^;)
ブログ形式は書くのは楽なんですが、読み返すのが面倒なので、そろそろサイトのほうへ移していこうかな?と思います。サイトへ移すのはきっちり話の着地点を決めてから、と思ってたんですけどね……。
どこに何を書いたか、読み返さないと忘れるんですよ……。
重複説明をしたり、必要なものをスポーンと飛ばしたりとかしたら後で困りますし(苦笑)
転生話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 第8話 第9話
普段からそんなに機嫌の良い人物ではないが、今日の友人は格別に機嫌が悪かった。
無理やり掴んだ手を引っ張りながら教室を出ると、その手を振り払われる。
「自分で行くから引っ張るな」
引っ張られることだけでなく、ついてくるなという意味を込めた一睨みを受けたけれど、リオは構わず並んで歩き出した。
ジロリと不機嫌そうな目を向けられたが、にこりと笑って跳ね返す。
「見張ってないと、本当に医務室に行くか怪しいですから」
「自分のことは自分で分かる。必要が不必要か、決めるのは僕だ」
「あなたが医者嫌いでなければその通りですね」
ブルーは目を細め不愉快を顕わにすると、後は黙って足を動かすだけだった。本当に、見張っていなければ医務室へ行っていたかどうか。
ほんの数ヶ月だけ年下だという隣の家の少年は、生まれたときから身体があまり丈夫ではなかった。
原因不明の高熱をたびたび発し、そのために遠くの病院へあちこち転院しながら検査を繰り返したせほどだ。結局息子のためにお隣は引っ越してしまい、その後首都に戻ってきたときも、以前とは違う家に入ったのでお隣ではなくなってしまった。
それでも歳を取るほどに少しずつ体力をつけて、今では人並みには丈夫といえる。
だがブルーの目指している道は、人並みではいけないのだ。
地球再生機構に所属するには、どうしてもクリアしなければならない様々なチェックがある。もちろん人より頑強な身体を持つことも、条件の一つだ。
ブルーが体力面でどうしても劣ることは否めない。
だがミュウは違う。
ミュウは体力的には虚弱な者が多いが、その意思伝達能力を見込まれて、多少身体が弱くとも優先的に機構に選抜される。
ブルーがミュウを嫌う理由の一つだ。それを八つ当たりだと、彼自身よく理解している。
理解していて、地球に近付くことのできる立場を羨む気持ちが消せない。そのために余計に苛立つ。
悪循環から抜け出せないのは気の毒だとは思うけれど、それはブルーが自分でどうにかするしかない。そしてやはりそのことも、ブルー自身が一番よく分かっているだろう。
そういえば、ここにもミュウなのかと疑われている人がいたんだった。
子供の原因不明の高熱は、しばしば目覚めたサイオンの暴走が原因となっていることがある。
幼い頃のブルーは病弱で、たびたび高熱に悩まされた。それは人間の子供でも珍しくはないことだが、その髪や瞳の色が人とは異なることもあって、散々ESPチェックを繰り返されたと聞いている。
結局度重なるチェックはブルーが人間だということを証明したにすぎないが、同時に幼い心にミュウへの嫌悪を植付けた。
ただでさえ病気の検査があるのに、そこにきてESPチェックまで。
そうして、ブルーはミュウも病院も大嫌いになった。
だが彼がミュウを嫌う最も大きな理由は。
段々と足が鈍るブルーを、結局引っ張る形で医務室の扉を開けたリオは、ぎょっと驚いて後ろに仰け反った。
「すみません!」
くるりと背を向けると、不可解そうな顔をしたブルーと正面から向き合うことになる。
「どうした?顔を赤くして」
「どうかしたんですか、リオ先輩?」
リオの脇からひょいと顔を出した少女に、ブルーも目を見開く。こんなところですぐに再会するなんて思ってもみなかったのだろう。リオだってそうだ。
だが更に驚くことに、彼女はリオを押しのけるように背中を強く押してきた。
「ブルー!医務室に来るなんてどうしたんですか!やっぱり怪我を!?」
「わっ、とと……」
リオを押しのけたジョミーは、ぺたぺたと音を立てる素足で廊下を進んでブルーに詰め寄った。
扉を開けたときの格好のままだ。
「別に。君には関係ない」
「関係ないなんて!さっきのことが原因ならぼくのせいだ!」
「ジョミー!ズボンを履いてください!」
短めの黒いスパッツ姿で白い足を晒していたジョミーに、堪らず肩を掴んで医務室に引っ張り戻す。その膝には赤い血が滲んでいる。ズボンの下で見えなかっただけで、やはりあのとき怪我をしていたのだろう。
「そんな慌てなくても、スパッツ履いてるよ?」
「そ、それはそうですが、そういうことではなく!」
「恥じらいを持ちなさいと言っているのです。手当ての途中ですよ!戻りなさい」
校医に連れ戻されるジョミーとは反対に、廊下に出て扉を閉めるつもりだったリオは、後ろから服を引っ張られて仰け反った。
「ジョ、ジョミー?」
「ぼくの手当てなんてすぐだよ。それよりブルーはどうしたの?どこか怪我してた?」
リオはジョミーに引かれ、ブルーはリオに引っ張られ、結局二人は当初の目的通りに医務室へと引きずり込まれることになった。
ブログ形式は書くのは楽なんですが、読み返すのが面倒なので、そろそろサイトのほうへ移していこうかな?と思います。サイトへ移すのはきっちり話の着地点を決めてから、と思ってたんですけどね……。
どこに何を書いたか、読み返さないと忘れるんですよ……。
重複説明をしたり、必要なものをスポーンと飛ばしたりとかしたら後で困りますし(苦笑)
転生話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 第8話 第9話
普段からそんなに機嫌の良い人物ではないが、今日の友人は格別に機嫌が悪かった。
無理やり掴んだ手を引っ張りながら教室を出ると、その手を振り払われる。
「自分で行くから引っ張るな」
引っ張られることだけでなく、ついてくるなという意味を込めた一睨みを受けたけれど、リオは構わず並んで歩き出した。
ジロリと不機嫌そうな目を向けられたが、にこりと笑って跳ね返す。
「見張ってないと、本当に医務室に行くか怪しいですから」
「自分のことは自分で分かる。必要が不必要か、決めるのは僕だ」
「あなたが医者嫌いでなければその通りですね」
ブルーは目を細め不愉快を顕わにすると、後は黙って足を動かすだけだった。本当に、見張っていなければ医務室へ行っていたかどうか。
ほんの数ヶ月だけ年下だという隣の家の少年は、生まれたときから身体があまり丈夫ではなかった。
原因不明の高熱をたびたび発し、そのために遠くの病院へあちこち転院しながら検査を繰り返したせほどだ。結局息子のためにお隣は引っ越してしまい、その後首都に戻ってきたときも、以前とは違う家に入ったのでお隣ではなくなってしまった。
それでも歳を取るほどに少しずつ体力をつけて、今では人並みには丈夫といえる。
だがブルーの目指している道は、人並みではいけないのだ。
地球再生機構に所属するには、どうしてもクリアしなければならない様々なチェックがある。もちろん人より頑強な身体を持つことも、条件の一つだ。
ブルーが体力面でどうしても劣ることは否めない。
だがミュウは違う。
ミュウは体力的には虚弱な者が多いが、その意思伝達能力を見込まれて、多少身体が弱くとも優先的に機構に選抜される。
ブルーがミュウを嫌う理由の一つだ。それを八つ当たりだと、彼自身よく理解している。
理解していて、地球に近付くことのできる立場を羨む気持ちが消せない。そのために余計に苛立つ。
悪循環から抜け出せないのは気の毒だとは思うけれど、それはブルーが自分でどうにかするしかない。そしてやはりそのことも、ブルー自身が一番よく分かっているだろう。
そういえば、ここにもミュウなのかと疑われている人がいたんだった。
子供の原因不明の高熱は、しばしば目覚めたサイオンの暴走が原因となっていることがある。
幼い頃のブルーは病弱で、たびたび高熱に悩まされた。それは人間の子供でも珍しくはないことだが、その髪や瞳の色が人とは異なることもあって、散々ESPチェックを繰り返されたと聞いている。
結局度重なるチェックはブルーが人間だということを証明したにすぎないが、同時に幼い心にミュウへの嫌悪を植付けた。
ただでさえ病気の検査があるのに、そこにきてESPチェックまで。
そうして、ブルーはミュウも病院も大嫌いになった。
だが彼がミュウを嫌う最も大きな理由は。
段々と足が鈍るブルーを、結局引っ張る形で医務室の扉を開けたリオは、ぎょっと驚いて後ろに仰け反った。
「すみません!」
くるりと背を向けると、不可解そうな顔をしたブルーと正面から向き合うことになる。
「どうした?顔を赤くして」
「どうかしたんですか、リオ先輩?」
リオの脇からひょいと顔を出した少女に、ブルーも目を見開く。こんなところですぐに再会するなんて思ってもみなかったのだろう。リオだってそうだ。
だが更に驚くことに、彼女はリオを押しのけるように背中を強く押してきた。
「ブルー!医務室に来るなんてどうしたんですか!やっぱり怪我を!?」
「わっ、とと……」
リオを押しのけたジョミーは、ぺたぺたと音を立てる素足で廊下を進んでブルーに詰め寄った。
扉を開けたときの格好のままだ。
「別に。君には関係ない」
「関係ないなんて!さっきのことが原因ならぼくのせいだ!」
「ジョミー!ズボンを履いてください!」
短めの黒いスパッツ姿で白い足を晒していたジョミーに、堪らず肩を掴んで医務室に引っ張り戻す。その膝には赤い血が滲んでいる。ズボンの下で見えなかっただけで、やはりあのとき怪我をしていたのだろう。
「そんな慌てなくても、スパッツ履いてるよ?」
「そ、それはそうですが、そういうことではなく!」
「恥じらいを持ちなさいと言っているのです。手当ての途中ですよ!戻りなさい」
校医に連れ戻されるジョミーとは反対に、廊下に出て扉を閉めるつもりだったリオは、後ろから服を引っ張られて仰け反った。
「ジョ、ジョミー?」
「ぼくの手当てなんてすぐだよ。それよりブルーはどうしたの?どこか怪我してた?」
リオはジョミーに引かれ、ブルーはリオに引っ張られ、結局二人は当初の目的通りに医務室へと引きずり込まれることになった。
No.31 無駄につらつらと
Category : テラへ
クリスマスネタに悩みます。
いくら頭を捻っても今のところパラレルものでしか話が出てこなくて、パラレルでないブルジョミでネター!とうんうん唸っていたら、全然違うことを考えていました。
テラの世界で宗教ってあるのかなーと。
ハロウィーン話をやっといて、今更そんなそんな逃避してどうする!(笑)
文字に起こしてみたら纏まるかと思ったんですが、更にカオスになりました。
以下そんな呟き。長い上に結局最後まで纏まってません(苦笑)
あ、ブルジョミやサイトとはまったく関係ない話です。
何を悩んだって「クリスマス」という概念が彼らにあるかどうか、から始まったのが問題でした(^^;)
知らないなら知らないで、「ライブラリーで調べたらそんな行事(祝い祭り)があった」でいいじゃないか!とか思ったんですが、結局泥沼に(苦笑)
テラの世界って、キリスト教に限らず宗教なさそうですよね。
その代わりがマザーシステムなわけで、いわばマザー一神教。
むしろ絶対者であるマザーを越えるような「神」の存在は邪魔な気がしたんです。信仰は救いが目的とはいえ、強力な依存性があるものだから。
が。
考えてみれば原作ではブルーが「神よ!」と言い、キースが「神の領域だ」とも言っています。
あれ、神様の概念は残っているのか。
アニメでこの辺のセリフがあったのかはちょっと覚えてないんですが(^^;)
フィシスを「女神」と呼ぶのは、宗教的観点とはまったく別物だと思っています。
(とはいえ、原作最後のフィシスの役割は救世主に近いもののようにも思えます。あのときの「女神様」とブルーの言う「女神」は別物でしょう、たぶん)
宗教があるとしたら、それはマザーが推奨する単一教となっていると思いますが、恐らく宗教という「存在」はなく、見えざる大いなる運命のようななにかに触れたとき、呟けるのが「神のような存在」というくらいのものかなあ、と。
日本人は信心深い人はもちろんたくさんいますが、信心深くない人が最も多い国であると聞きます。
かく言う私も無神論者……とは微妙に違うかな。いるかもしれないけど自分は見えないし感じられないから、いないも同然。信じている人にとっては「神」は存在するだろう、という考えなんで。
まあそんな奴でも、うっかり「神様」とかそれのような「大いなる何か」に祈る瞬間はあるわけですよ。
物理的に何かをできる人、物に頼っているわけではなく、精神的な軽い(あるいは重度の)依頼心ですね。
そんな程度の存在があそこで言う「神」なのかしら、とか。
他に言葉にできる存在がいないから「神」というだけで、実際「神」を信じているかといえば、キースなんて特に信じてなさそうなんですけれども(笑)
マザーシステムに依存している以上、そこに宗教という依存を持ち込むと矛盾の元になる可能性を秘めているのではないかな。
古来から人間が争う二大元は欲望と信仰です。
テラの世界はマザーに支配された単一国家となっているので、国家間による国境紛争や外交、経済などの摩擦なんて問題は起きない(厳密に言えば国の代わりに「都市」の存在があるので、そこから折衝が生まれるはずですが、マザーシステムにおいてはそれもマザーが調停するので、ここではない、としておきます)
だとすると、もうひとつの争いの元にもなる「宗教」もないか、あるとしても一つにまとめておくと、それが原因による争いは起きない。
マザーシステムとしては、これはまとめておきたいものではなかなあと思うのですよ。
争いは考えや価値観の「差」があるから起こり易いもので、それらを無くすために厳密な管理で統制した社会を築いているのがマザーシステムで、アニメではそれほどではありませんでしたが、原作におていは、一定の事柄では判を押したかのような反応をする人間を作ろうとしているわけです。
例外が、すべての人間を統制する国家元首にするために作った人間、キース、というわけで。
逆に、マザーの支配から逃れようとするミュウが「神」の存在を信じるはありかな、とは思います。
絶対的な「何か」をマザーでなくすとしたら、ミュウとしては「ソルジャー」がそれに値するかもしれませんが、指導者とどこかにいるかもしれない絶対者への依存度では、ソルジャーに対するほうが圧倒的に物理的、少なくとも身近な事柄に対する精神的何か、であって、例えば信仰で得られる類の「救い」とは別物ではないかと。
そう考えると人間よりも「神」のような何か、を信じてもおかしくはなく、しかしまったく新たに信仰を対象を作るよりは、資料として、あるいはうっすらと人類という種として記憶に残っていた古い信仰であってもおかしくはなかなあ……と。
つまり、ここまでの話は何かと言いますと、
「クリスマスがあったっていいじゃなーい」(概念はまったく別のもので)という……。
いえ、本当はどんどん話がずれていくので、軌道修正を図ったらこんな結論に達しただけです(苦笑)
しかしこの結論に戻るのに、一体何の理屈(しかもあちこち破綻しているorz)を捏ねとるんだ(^^;)
こんなことを電車の中でつらつらを考えていました。
文字にすると頭の中より、更にカオスになりました。
おかしい……普通は纏まるものなんじゃないか……。
いくら頭を捻っても今のところパラレルものでしか話が出てこなくて、パラレルでないブルジョミでネター!とうんうん唸っていたら、全然違うことを考えていました。
テラの世界で宗教ってあるのかなーと。
ハロウィーン話をやっといて、今更そんなそんな逃避してどうする!(笑)
文字に起こしてみたら纏まるかと思ったんですが、更にカオスになりました。
以下そんな呟き。長い上に結局最後まで纏まってません(苦笑)
あ、ブルジョミやサイトとはまったく関係ない話です。
何を悩んだって「クリスマス」という概念が彼らにあるかどうか、から始まったのが問題でした(^^;)
知らないなら知らないで、「ライブラリーで調べたらそんな行事(祝い祭り)があった」でいいじゃないか!とか思ったんですが、結局泥沼に(苦笑)
テラの世界って、キリスト教に限らず宗教なさそうですよね。
その代わりがマザーシステムなわけで、いわばマザー一神教。
むしろ絶対者であるマザーを越えるような「神」の存在は邪魔な気がしたんです。信仰は救いが目的とはいえ、強力な依存性があるものだから。
が。
考えてみれば原作ではブルーが「神よ!」と言い、キースが「神の領域だ」とも言っています。
あれ、神様の概念は残っているのか。
アニメでこの辺のセリフがあったのかはちょっと覚えてないんですが(^^;)
フィシスを「女神」と呼ぶのは、宗教的観点とはまったく別物だと思っています。
(とはいえ、原作最後のフィシスの役割は救世主に近いもののようにも思えます。あのときの「女神様」とブルーの言う「女神」は別物でしょう、たぶん)
宗教があるとしたら、それはマザーが推奨する単一教となっていると思いますが、恐らく宗教という「存在」はなく、見えざる大いなる運命のようななにかに触れたとき、呟けるのが「神のような存在」というくらいのものかなあ、と。
日本人は信心深い人はもちろんたくさんいますが、信心深くない人が最も多い国であると聞きます。
かく言う私も無神論者……とは微妙に違うかな。いるかもしれないけど自分は見えないし感じられないから、いないも同然。信じている人にとっては「神」は存在するだろう、という考えなんで。
まあそんな奴でも、うっかり「神様」とかそれのような「大いなる何か」に祈る瞬間はあるわけですよ。
物理的に何かをできる人、物に頼っているわけではなく、精神的な軽い(あるいは重度の)依頼心ですね。
そんな程度の存在があそこで言う「神」なのかしら、とか。
他に言葉にできる存在がいないから「神」というだけで、実際「神」を信じているかといえば、キースなんて特に信じてなさそうなんですけれども(笑)
マザーシステムに依存している以上、そこに宗教という依存を持ち込むと矛盾の元になる可能性を秘めているのではないかな。
古来から人間が争う二大元は欲望と信仰です。
テラの世界はマザーに支配された単一国家となっているので、国家間による国境紛争や外交、経済などの摩擦なんて問題は起きない(厳密に言えば国の代わりに「都市」の存在があるので、そこから折衝が生まれるはずですが、マザーシステムにおいてはそれもマザーが調停するので、ここではない、としておきます)
だとすると、もうひとつの争いの元にもなる「宗教」もないか、あるとしても一つにまとめておくと、それが原因による争いは起きない。
マザーシステムとしては、これはまとめておきたいものではなかなあと思うのですよ。
争いは考えや価値観の「差」があるから起こり易いもので、それらを無くすために厳密な管理で統制した社会を築いているのがマザーシステムで、アニメではそれほどではありませんでしたが、原作におていは、一定の事柄では判を押したかのような反応をする人間を作ろうとしているわけです。
例外が、すべての人間を統制する国家元首にするために作った人間、キース、というわけで。
逆に、マザーの支配から逃れようとするミュウが「神」の存在を信じるはありかな、とは思います。
絶対的な「何か」をマザーでなくすとしたら、ミュウとしては「ソルジャー」がそれに値するかもしれませんが、指導者とどこかにいるかもしれない絶対者への依存度では、ソルジャーに対するほうが圧倒的に物理的、少なくとも身近な事柄に対する精神的何か、であって、例えば信仰で得られる類の「救い」とは別物ではないかと。
そう考えると人間よりも「神」のような何か、を信じてもおかしくはなく、しかしまったく新たに信仰を対象を作るよりは、資料として、あるいはうっすらと人類という種として記憶に残っていた古い信仰であってもおかしくはなかなあ……と。
つまり、ここまでの話は何かと言いますと、
「クリスマスがあったっていいじゃなーい」(概念はまったく別のもので)という……。
いえ、本当はどんどん話がずれていくので、軌道修正を図ったらこんな結論に達しただけです(苦笑)
しかしこの結論に戻るのに、一体何の理屈(しかもあちこち破綻しているorz)を捏ねとるんだ(^^;)
こんなことを電車の中でつらつらを考えていました。
文字にすると頭の中より、更にカオスになりました。
おかしい……普通は纏まるものなんじゃないか……。