日々の呟きとか小ネタとか。
現在は転生話が中心…かと。
No.34 太陽の花(転生話11)
Category : 転生話
サイト転載にあたって転生話にタイトルをつけました。ついでに目次もまとめました。どこまで話が伸びるのか分からないので、縦長対策に見にくい横並び目次です(苦笑)
このペースだと完結までには100話くらいは軽く費やされる予感。1話ずつが短いとはいえ…orz
ところで今話でブルーの捏造ファミリーネームが出ます。
ジョミー以外はなるべくみんなファミリーネームを出す事態を避けているのですが(苦笑)、さすがにブルーくらいはどのみち避けては通れまい、と。しかし話が伸びるほど避けられない人が増えて行くような気もします……(^^;)
ブルーはそれこそブルーカラーの中から選んでみました。アクアブルーとかインディゴブルーとかの、○○ブルーの○○の部分。なんて無理やりな。
できればキースのファミリーネームもあんまり出したくないところなんですが……出れば間違いなくアニアンです(他に考えられない…)
目次はこちら
校医に連れ戻されたジョミーは、強引に椅子に落ち着けられた。
だが本人は赤い血を流す膝の怪我より、ブルーの方が気になるらしい。
「ねえ、どこを怪我したの?」
校医に足を掴まれて身動きできないとなると、上半身だけでもとこちらへ身を乗り出す。
横を見ると、こういったときに愛想よく相手をするはずの友人はなぜか遠慮するようにジョミーに背を向けていて、ブルーは溜息をついた。
「別に……」
返答になっていない答えを返しながら、手当てを受けるジョミーを上から下までしげしげと眺める。
受け止めたときは衝撃があったからともかく、確かに体重はそれほど重くはなかったが、すらりと伸びた白い足は、ふくらはぎと太股が柔らかそうに少しだけふっくらとしているだけで、全体的には思ったより華奢だ。
ジャケットを脱いだ下は白いシャツを身に着けていたらしく、スパッツの黒とちょうど対になっている。
肩も随分小さくて細い。あれは袖を捲くれば腕もきっと折れそうに細いに違いない。
今年入学ということは、今はまだ十三歳なのだろうから頼りない子供体型で当然と言えば当然だ。
だが……。
ふと、少年に違和感を感じたところで、ごほんと咳払いが聞えた。
「そうあまりジロジロと見るものではありません。リオを見習いなさい」
膝の血を消毒液をつけた脱脂綿で拭い去った校医は、ブルーを見て叱るように目に力を込めた。
リオを見習えと言うと、たかがズボンを脱いでいるだけで遠慮をして背中を向けろということか。
下着まで脱いでいるならともかく、そこまでする必要は感じなかったが、男の足なんて眺めたいのかと思われるのも遠慮したいのでブルーも背を向けた。
「別にそんなのいいのに。ねえ、それよりブルー……先輩、本当にどこも悪くないの?だったらどうしてここに……」
「君には関係ないと言った。もし責任を感じるというのなら、僕に構うな」
放っておいてくれと告げると、さすがに背中越しの声は黙り込んだ。
だが代わりに校医が呆れたと声を上げる。
「そのような冷たい言い方をしなくてもよいでしょう!あなたは今年で最上級生になるのですよ。下級生に優しくして導いてあげこそすれ、そのような態度……!」
「い、いいんです、エラ先生。ぼくがしつこくしたのがいけないんですから」
「聞きましたか、ブルー・イリアッド!新入生に気を遣わせて情けないと思わないのですか」
勝手に慌てて勝手に反省したことまで、こちらに当てこすられても知ったことか。
ブルーは背を向けたまま肩を竦めた。
「風向きが悪いようだ。僕はこれで」
校医を怒らせたことを幸いと、さっさと出て行ってしまおうとすると、その腕をリオに掴まれる。
「だめですよ。肋骨の辺りが痛いなんて、ヒビでも入っていたらどうするんです」
「肋骨?ヒビ!?そんな……っ」
「ジョミー・マーキスー・シン!少しはじっとなさい!式までに手当てが終わらないでしょう!」
また暴れたらしいジョミーもぴしゃりと叱られた。こちらは被害者なのだから、それでもお相子だとは思わないが、それにしても無謀な事をする割りには随分とその結果に責任を感じるものだ。得てして、無鉄砲な子供は責任を重く捕らえないからこそ無茶を繰り返すものだろうに。
いつまでも気に掛けて纏わりつかれるのも面倒で、ブルーは横目でリオを睨みながら溜息を零した。
「リオが強引で大袈裟なだけで、少し痛む程度だ」
「大袈裟かどうかは私が判断します。さ、ジョミーは服を調えなさい。ブルーはこちらのベッドに横になって」
衣擦れの音のする場所からコツコツと低いヒールが音を立てて離れて、ブルーは言われるままに仕方なしにそちらへ向かった。
こうなったらさっさと検査を済ませてしまった方が面倒が少ない。
どうせ大した傷ではないと思っていたからこその判断で、ブルーは示されたベッドに上がって仰向けに寝転ぶ。
胸の上の辺りに、身体には触れずに手をかざされた。
医者とミュウを嫌うブルーにとって、この学校の校医はまさしく鬼門だ。何しろミュウで医者なのだから。
「……あなたは……相変わらずサイオンの干渉を拒みますね。身体の力を抜いてリラックスなさい」
校医は眉を寄せて溜息をついた。
「体内のリズムを見ているだけです」
「拒んでいるつもりはありません」
実際、さっさと終わらせてしまいたいブルーに拒む意思はない。だが嫌いなものに対する拒絶反応まで制御できないし、できたとしてもする気もない。
傍で検査を見ていたリオの隣に、茶色のジャケットを羽織り直したジョミーがひょいと顔を出した。
目が合った途端に、自然とブルーの眉間に皺が寄る。
一体なんだというのだ。
そんなに心配そうな顔をして。
結果的に睨みつけられたようなものになるのに、ジョミーは少しだけ悲しそうに目を伏せただけで、立ち去りもせずに何も言わずに検査が終わるのを待っていた。
このペースだと完結までには100話くらいは軽く費やされる予感。1話ずつが短いとはいえ…orz
ところで今話でブルーの捏造ファミリーネームが出ます。
ジョミー以外はなるべくみんなファミリーネームを出す事態を避けているのですが(苦笑)、さすがにブルーくらいはどのみち避けては通れまい、と。しかし話が伸びるほど避けられない人が増えて行くような気もします……(^^;)
ブルーはそれこそブルーカラーの中から選んでみました。アクアブルーとかインディゴブルーとかの、○○ブルーの○○の部分。なんて無理やりな。
できればキースのファミリーネームもあんまり出したくないところなんですが……出れば間違いなくアニアンです(他に考えられない…)
目次はこちら
校医に連れ戻されたジョミーは、強引に椅子に落ち着けられた。
だが本人は赤い血を流す膝の怪我より、ブルーの方が気になるらしい。
「ねえ、どこを怪我したの?」
校医に足を掴まれて身動きできないとなると、上半身だけでもとこちらへ身を乗り出す。
横を見ると、こういったときに愛想よく相手をするはずの友人はなぜか遠慮するようにジョミーに背を向けていて、ブルーは溜息をついた。
「別に……」
返答になっていない答えを返しながら、手当てを受けるジョミーを上から下までしげしげと眺める。
受け止めたときは衝撃があったからともかく、確かに体重はそれほど重くはなかったが、すらりと伸びた白い足は、ふくらはぎと太股が柔らかそうに少しだけふっくらとしているだけで、全体的には思ったより華奢だ。
ジャケットを脱いだ下は白いシャツを身に着けていたらしく、スパッツの黒とちょうど対になっている。
肩も随分小さくて細い。あれは袖を捲くれば腕もきっと折れそうに細いに違いない。
今年入学ということは、今はまだ十三歳なのだろうから頼りない子供体型で当然と言えば当然だ。
だが……。
ふと、少年に違和感を感じたところで、ごほんと咳払いが聞えた。
「そうあまりジロジロと見るものではありません。リオを見習いなさい」
膝の血を消毒液をつけた脱脂綿で拭い去った校医は、ブルーを見て叱るように目に力を込めた。
リオを見習えと言うと、たかがズボンを脱いでいるだけで遠慮をして背中を向けろということか。
下着まで脱いでいるならともかく、そこまでする必要は感じなかったが、男の足なんて眺めたいのかと思われるのも遠慮したいのでブルーも背を向けた。
「別にそんなのいいのに。ねえ、それよりブルー……先輩、本当にどこも悪くないの?だったらどうしてここに……」
「君には関係ないと言った。もし責任を感じるというのなら、僕に構うな」
放っておいてくれと告げると、さすがに背中越しの声は黙り込んだ。
だが代わりに校医が呆れたと声を上げる。
「そのような冷たい言い方をしなくてもよいでしょう!あなたは今年で最上級生になるのですよ。下級生に優しくして導いてあげこそすれ、そのような態度……!」
「い、いいんです、エラ先生。ぼくがしつこくしたのがいけないんですから」
「聞きましたか、ブルー・イリアッド!新入生に気を遣わせて情けないと思わないのですか」
勝手に慌てて勝手に反省したことまで、こちらに当てこすられても知ったことか。
ブルーは背を向けたまま肩を竦めた。
「風向きが悪いようだ。僕はこれで」
校医を怒らせたことを幸いと、さっさと出て行ってしまおうとすると、その腕をリオに掴まれる。
「だめですよ。肋骨の辺りが痛いなんて、ヒビでも入っていたらどうするんです」
「肋骨?ヒビ!?そんな……っ」
「ジョミー・マーキスー・シン!少しはじっとなさい!式までに手当てが終わらないでしょう!」
また暴れたらしいジョミーもぴしゃりと叱られた。こちらは被害者なのだから、それでもお相子だとは思わないが、それにしても無謀な事をする割りには随分とその結果に責任を感じるものだ。得てして、無鉄砲な子供は責任を重く捕らえないからこそ無茶を繰り返すものだろうに。
いつまでも気に掛けて纏わりつかれるのも面倒で、ブルーは横目でリオを睨みながら溜息を零した。
「リオが強引で大袈裟なだけで、少し痛む程度だ」
「大袈裟かどうかは私が判断します。さ、ジョミーは服を調えなさい。ブルーはこちらのベッドに横になって」
衣擦れの音のする場所からコツコツと低いヒールが音を立てて離れて、ブルーは言われるままに仕方なしにそちらへ向かった。
こうなったらさっさと検査を済ませてしまった方が面倒が少ない。
どうせ大した傷ではないと思っていたからこその判断で、ブルーは示されたベッドに上がって仰向けに寝転ぶ。
胸の上の辺りに、身体には触れずに手をかざされた。
医者とミュウを嫌うブルーにとって、この学校の校医はまさしく鬼門だ。何しろミュウで医者なのだから。
「……あなたは……相変わらずサイオンの干渉を拒みますね。身体の力を抜いてリラックスなさい」
校医は眉を寄せて溜息をついた。
「体内のリズムを見ているだけです」
「拒んでいるつもりはありません」
実際、さっさと終わらせてしまいたいブルーに拒む意思はない。だが嫌いなものに対する拒絶反応まで制御できないし、できたとしてもする気もない。
傍で検査を見ていたリオの隣に、茶色のジャケットを羽織り直したジョミーがひょいと顔を出した。
目が合った途端に、自然とブルーの眉間に皺が寄る。
一体なんだというのだ。
そんなに心配そうな顔をして。
結果的に睨みつけられたようなものになるのに、ジョミーは少しだけ悲しそうに目を伏せただけで、立ち去りもせずに何も言わずに検査が終わるのを待っていた。
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