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日々の呟きとか小ネタとか。 現在は転生話が中心…かと。
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No.83 DVD7巻
ちょ……ま、また書いていた転生話が、保存ボタンを押したところで消えましたorz
悪いのはすぐにエクスプローラを強制終了する自分のパソコンなので落ち込むしかありません……。買い替えどきなのはわかっているんですけどねー……ノートパソコンでしばらく代用しようかな……あっちも壊れかけなんですがorz
とりあえず、先にDVD7巻の感想を……とほほ。
プレミアムファンディスクとパイロット版映像について。

以下、ネタバレにつきご注意。


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パイロット版。
げ、原作に近い……!
なるほど、これが結城さんの言っていた最初の段階なんですね~。

……しょ、正直こちらのほうが……とかちと思ったのですが、よくよく考えると、この絵柄でアニメのストーリー展開だともっと暴れたかも……。
パイロット版は原作のシーンばかりだったので、原作の絵柄がいい!と思ったのですが、竹宮先生に近い絵柄でアニメの優しいSD体制をされたら違和感が爆発だったかもしれません。
ブルーは金髪だとイメージが変わりますね~。
原作風の少年らしさに比べると、アニメのブルーは青年ですね。でも威厳というか、力強さみたいなのは原作風の方が……ジョミーが爆発したシーンのあのシルエットブルーが!(笑)
ジョミーが青い目!地球の色!とかちょっとウキウキしたり(でも翠も好きです~)、トォニィは今のカラーリングのほうが好きだな~と思ったり。
キースとの初の直接対決のシーンは、アニメよりパイロット版のほうが好きでした……。いかにもサイオンで攻撃してる!という感じだし、あのジョミーの黒スーツが細身の少年らしさばっちりで。
でもアニメのマントをばさーっと翻すのも格好いいので、どちらも捨て難いと言えば捨て難い。
こう、「衣装」っていう服が大好きなんですよね~。
銀英伝では銀河帝国の軍服に萌えたくちなんで(笑)

個人的結論。
アニメのストーリーだと、アニメの絵柄でよかった。
(原作絵柄に近いなら原作寄りストーリーにして欲しいので)


ファンディスク。
ジョミー、トォニィ、グレイブという不思議な取り合わせ。
不思議なんですが、成田さんも好きなんで嬉しかったです(笑)
ジョミー、ブルー、キースからコミックリーディングができなくなったので、新コーナーが出来ていて、今回もわいわいと楽しそうでよかったです。
特にトォニィならわかるはず、と散々言われていた杉山さんが(笑)
やっぱり斎賀さんは原作に思い入れがあるんだろうな~と、毎回思います。語る語る。

シャングリラ学園。今回はバレンタイン。
キース、人のチョコ食うな(^^;)
そしてマツカ登場。
……マツカ、とう……じょう………マツカ……。
大好きだ(笑)
キースがかなり変な人なシャン学ですが、マツカはその上を行きました。楽しくて仕方なかったです。
M……なのか。嬉しそう……。
しかしキースのジャイアンぷりはどうかと(^^;)
同級生をパシリにするな~。
ブルーの出番が少なかったのがちと残念ですが、ジョミーが楽しそうだったんで、まあいいか……。
No.82 飲み会
今日は職場の飲み会があるので、多分更新できません……。酒は好きですが、上司と飲んでも楽しくない~(^^;)
元はいつものメンバーで飲みに行く話をしていたところ、話を小耳に挟んだ上司が「僕も行く」といったことから、結局懇親会のような形になったらしいです……。ちなみにその時点で私はいつものメンバーでの飲み会の話も知りませんでしたが、参加は決定していたそうな……拒否権ない(笑)
移動した前の責任者が仕事とプライベートを完全に切り分け型の人で、飲み会とか嫌いで絶対に参加しない人だったんですが、今の責任者は飲み会とか大好きらしい……年上のおばちゃんに囲まれて飲んでも楽しいのかな(苦笑)
それとも責任者としての義務感なのだろうか……。円滑な職場環境を作る為の懇親会!とか。
……職場メンバーなだけに、いつもは盛大な愚痴大会になるので、それを邪魔された形で懇親よりむしろストレスを貯めそうな人がいて、それが心配です……せっかくのストレス発散場が。
でも懇親会になったから、ちょっとは早く帰れないだろうかとちょっと期待。いつもは日付変更ギリギリくらいまで飲むから……(^^;)

そういうわけで、昨日のうちに更新しようと思っていたんですが……。
あまりの眠さに先にちょっと仮眠をとろうと、倒せる椅子に毛布を被って寝る体勢は取りました。
しかしなぜ椅子でがっつり4時間も眠らにゃならんのだ……。
わーん!自分の馬鹿ー!
罵ったところで過ぎ去った時間は帰ってきません……。どうせ寝るならベッドでふつーに寝たかった……。ただでさえ違和感のある首が、強烈に痛いです。
最近、目覚ましを無意識で止めます。鳴った記憶がない。仮眠時も困りものですが、朝やると遅刻との戦いになるので、ホントいい加減どうにかしたいです……しっかり寝れば解決なのは分かっているんだ……。でも書きたいんだ……!
どうしようもないという話でした。どっとはらい。
No.81 つい
美夕パロを書くのに引っ張り出したOVAを見てしまいました。
お陰で今日は一日頭が働きませんでした。社会人失格……ていうか給料泥棒だろう。何日も徹夜ができた学生時代とは違って、今は2時間弱しか寝ない日が一日あっただけで脳が労働を放棄します。
軟弱者!(セイラさん風に)

そういえばこの「軟弱者!」ですが、以前うちでは兄貴と二人で長らく現役で使っていました。
シャーペンの芯が折れては「軟弱者!」
壊れたビデオデッキにも「軟弱者!」
トランプタワーが途中で崩れても「軟弱者!」
時計の電池が切れて目覚ましが鳴らなかったときも「軟弱者!」
とにかくあちこちで使っていたら、ある日、母も言ってました。
つるっと手が滑って落として割れた茶碗に向かって「軟弱者!」
……伝染った!?(笑)
あの人は元ネタ知らずに使っているので、外では絶対に使わないようね、とだけ言ったんですが(笑)

それにしても、美夕パロは「懐かしい」という声をたくさん頂きました。
いいですよねー、美夕!
私は映像美を前面に出したOVAが一番好きなんですが、OVAだとラヴァが喋らないのが唯一の難点です。塩沢兼人さんの声がほとんど聞けない……。
テレビ版だとラヴァは結構頻繁に仮面を取ってくれるし、三木眞一郎さんの声でばんばん(ってほどでもないか)喋ってくれて、それはそれで楽しく、美夕とラヴァの醸し出す雰囲気が一番妖しいのは漫画版かな~と、とにかくどれもそれぞれ好きなところがあるんですよね。
しかし今日の記事は見事に(古い)アニメの話しかしてない(笑)

新しいアニメの地球へ…のDVD7巻は土曜日に買いにいきたいです…。
いくらでも続けられる感じですが、終わり。美夕のあの幻想的なイメージを追いかけて玉砕です。
OVAと漫画を足してる設定になりました。なんとなく。
OVAのままだとブルーが顔と声を封印されちゃうし、漫画だとジョミーがママを……しなくちゃいけないので、その中間で。
ちなみに「下僕」は「しもべ」とお読みください。本来しもべなら「僕」だけなんですが、「げぼく」だとまた強烈な感じがするので~(^^;)
だけど本当にブルーが下僕としてご奉仕するとなると、ジョミーのほうが大変なことになります。下克上か(笑)



「な……っ」
真っ赤な空に果てなく伸びるいくつもの黒い影が、躍るように揺らめく。
「目覚めだ」
「監視者の目覚めだ」
「再び門は閉じられる」
揺らめく影に、ジョミーは蒼白になって手を振った。
「違う!ぼくは人間だっ」
「ジョミーっ!」
影の向こうから聞えた悲鳴に、背筋が凍ったように一瞬にして興奮したジョミーの激情が恐怖に染まる。
「ママ!パパ!」
「ジョミー……!目覚めてしまったの……?監視者の、神魔の血にっ」
はらはらと涙を零す母の肩を、父の大きな手が覆う。
「長よ!ジョミーはまだ幼いのです!どうか、どうか今しばらくの猶予を……」
ブルーに語られるまでジョミーが何も知らなかったことを、まるで初めから知っていたように叫ぶ両親に、ジョミーは大きく目を見開いた。
ふいに背後に現れた気配が、後ろからジョミーを包み込む。
「ブルーっ!」
「君は監視者の血族だと言っただろう?君の両親は、血族に生まれながらその力が弱かった。それゆえ、長きに渡り監視者が不在になっていたんだ。僕やキースは、その隙に闇からこの世界へと来た」
後ろからジョミーを藤色の布の中に包むように覆い、耳元で囁き語るブルーの声に、影の声が重なる。
「そうはゆかぬ。お前たちの血の薄さゆえ、長年に渡り監視者の不在が続いた。数多く逃げ出したはぐれ神魔を闇に還さねばならん。ジョミーは既に目覚めた!新たな監視者の誕生だ!」
「……君の両親は、神魔の血に目覚める14歳を前に、猶予を求めに長の元へ行っていたのだね」
「そ……んな………パパ……ママ!」
巻き込まないようにと思っていた両親は、すべて知っていた。知っていて、それでもジョミーを守ろうとしていた。
その間に、ジョミーは何をしただろう。
震えるジョミーに気づいたように、ブルーがその髪に頬を摺り寄せた。
「泣かないでくれ、ジョミー……。僕は不法に闇から抜け出したはぐれ神魔だが、君の下僕として現世に留まることができる。僕が傍にいるから……」
喉の渇きに支配され、ブルーの血を。
「いやだっ!違う!ぼくは人間だっ!血なんて……欲しくない……っ」
血なんて欲しくない。
それは心からの叫びなのに、舌が、喉が、ブルーの血の味を覚えている。それまでなかったはずの牙がその肌を突き破る快感が口に残っている。
「………っ……ぼくは……人間、だ……っ」
「既に下僕を従えておるな」
繰り返す言葉を否定するように、影は無情に告げた。母と父の表情が悲しみに歪む。
「ジョミー……」
「ママ……パパ……っ」
どう言えばいいのか分からない。謝りたいのに、何を謝ればいいのかも分からない。血を飲んでごめんなさい……だなんて、人が謝る言葉ではない。
「でもぼくは………神魔なんかじゃ……ない……」
「自らの宿命を受け入れぬとあらば、罰を与えねばならん」
「罰?」
影に目を向けたジョミーは、鋭い悲鳴を聞いて息を飲む。
「ママ!?パパ!」
足元から氷が駆け上るように、両親の身体を包み込んでいく。
「や……やめろ!わかった!ぼくがやる!監視者になるからっ」
ブルーの腕の中から駆け出して、力の限り手を伸ばす。だがその手が届く前に、氷はすでに両親の肩まで包み込んでいた。
「ジョミー」
そのとき、どうして二人が微笑んだのか分からない。
二人は手を握り合った姿のまま、氷の中に閉じ込められた。
膝を付き、うな垂れるジョミーの頭上で影が躍る。
「既に闇から抜け出したすべての神魔を闇へと還したとき、お前の両親を戒めから解き放つ」

気がつけば、ジョミーは自宅の廊下に膝を付いてうな垂れていた。
「どうして………」
背後で部屋の扉が微かな軋みを上げる。
「……ジョミー」
「どうしてママとパパが………どうしてなんだよっ」
「……彼らは、君だけが闇を背負うことに耐えられなかったのだろう」
「なに……それ……」
零れ落ちる雫が、廊下と握り締めた拳を濡らす。
「ジョミー、僕が傍にい……」
伸ばされた手を、振り払ったのは反射だった。
乾いた音を立てて、弾かれたブルーの手の甲に赤い一筋の線が走る。
「あ……」
息を飲むジョミーに、ブルーは優しく微笑んだ。
「いいんだ。僕は君の下僕だ。君が望むままに傍にいるし、君がそう命じるなら近付かない」
「違う。ぼく、ごめん、なさい……八つ当たりだ」
「いや。僕の爪が君を目覚めさせたのだから」
緩く首を振るブルーに、ジョミーは涙を拭いながら苦笑を零す。
「目覚めなかったら、ぼくはあなたに殺されていたんでしょう?」
「そうだね……いや、どうだろう」
「殺そうとしたくせに」
「だけど殺せなかった。僕は本当は、初めて君に会いに行った時、君をこの手に掛けるつもりだった」
自らの右手に視線を落とすブルーに、ジョミーは首を傾げた。
「ぼくの小鳥を一緒に埋めてくれたときのこと?」
「覚えていたのかい?」
「うん、夢で……」
冷たくなった小鳥を抱えた両手に添えられた、白い手を思い出す。
―――生命は、永遠ではないから美しい。
あのとき、ブルーはそう言った。
「……ヴァンパイアってさ、死なないの?歳も取らないって本当?」
「死は何者にも存在する。だが君が望むなら悠久に近い時を生きることも可能だ」
ジョミーがついと手を伸ばすと、ブルーはその両手を広げて迎え入れてくれた。あの時触れた冷たい手は、今はもう冷たくはない。
ブルーが暖かくなったのではなくて、ジョミーの身体が人よりも冷たくなっているのだと、気づいてしまって泣きそうになる。
「はぐれ神魔って、たくさんいるの?」
「正確な数は分からない。だが……」
「ブルーの友達もいるんだよね?」
「キースかい?……ああ……今頃ひどく怒っているだろうな。僕を信じて君の事を任せてくれたから」
ジョミーを抱き締める手に力を込めて、ブルーはくすりと小さく笑った。
「キースは友人というより、共犯者だね。闇を抜け出すときに協力しあった腐れ縁だよ。だけど君の両親を解放するためになら、彼を闇に還すことに躊躇いはない。それに、キースを相手に躊躇えば、こちらのほうが危険だ」
「彼にぼくの血を分けて、あなたと一緒に傍にいてもらうことはできないの?」
ふと、名案ではないかと顔を上げると、途端にブルーは不愉快そうに眉を潜める。
「それはキースが嫌がるだろう。君がどうしても、というのなら強制することに協力はするけれど、正直に言っていいのなら僕も面白くない」
「どうして?友達と戦うより、そのほうが良いじゃないか」
「君の血をキースに分けるということが気に食わない。ジョミーの下僕は僕だけでいい」
ぱちぱちと瞬きをして見上げても、ブルーの表情は真剣そのもので冗談を言ったわけではないらしい。
ジョミーはブルーの首に腕を絡めながら、その瞳を覗き込む。
「ぼくは、あなたを下僕だなんて思ってないよ」
「血の契約を交わした。君の血を受けた以上、僕は君の下僕だよ」
「あのね、ブルー。下僕だといやいやでもぼくの傍にいるってことだよね?」
「僕が君の傍を厭うはずがない」
はっきりと言い切ったブルーに、思わず吹き出しながらぎゅっと抱き締めた。
「ぼくの役目につき合わせて、ごめんね。大好きだよ、ブルー」
だから下僕だなんて、言わないで。
そう囁けば、背中に回されていたブルーの腕に力が込められた。
「君が嫌がるのなら、もう言わないよ。君の傍にいることが許されたのは、君の血を受けたからだが、君の傍にあるのは僕の意思だ。君に血を飲まれることを望んだ、僕の」
優しい声をききながら、白い首筋に顔を埋めて、ジョミーは目を閉じた。


ぼくはもう、小鳥のところには行けないだろう。
けれど寂しくはない。
両親を助け出すために、悠久の時を共に生きることさえ望んでくれた人が、ここにいるから。
う、嘘つきが通りますよ~。
ということで結局、前中後編どころか5話になりましたorz
詰めればここで終われないこともなかったんですが、ブルーとの血の契約だけで区切っちゃったほうがいいかと思い直したので、ここは他よりは短め。
普通に短編としてサイトに上げればよかったんじゃ、とか今頃思いました。遅い。



「い………やだっ!」
首に掛かった白い手より、青年の顔に抵抗した手が向かったのは本能だったのかもしれない。
無茶苦茶に振り回したジョミーの手を避けて、青年の力が緩む。
逃げ出そうとする刹那、ジョミーを再び捉えようとした青年の爪がジョミーの腕を傷つけた。
「つ……っ」
鋭い痛みが走った腕を押さえると、指の間から赤い鮮血が滴り落ちる。
青年の手の爪が、昼間の男と同じように鋭く伸びてジョミーに向けられた。
「僕たちはぐれ神魔を狩る監視者を、復活させるわけにはいかない」
だがジョミーの目は青年には向いていない。
赤い雫が白いシーツへと落ちて、染みを造る。激しく鼓動がジョミーの胸を打った。
―――血。ぼくの……赤い、紅い、あかい……。
一時だけ忘れていた喉の渇きが甦る。
今までのような渇きとは比較にならない。まるで荒野の砂のように、身体中が干上がったかのような、激しい渇きが喉を焼く。
この渇きは水では癒えない。冷たい氷でも、熱い湯でもだめだ。
暖かい、人の肌と同じ暖かさの。
顔を上げる。目の前には、芳しい芳香を放つ獲物がいる。
ジョミーの目に映る青年の目が大きく見開かれた。
「ジョミー……!君はっ」
逃げようとしていたはずのジョミーから手を伸ばし、青年の首に絡めるように巻きつける。
赤い瞳は、恐怖なのかそれとも他の何かにか、激しく揺らめいていた。
だがその視線が外されることも、ジョミーが突き飛ばされることもない。
「あなたの、血を……ください」
吐息が掛かるほどの距離まで近付いたジョミーの背後で、青年の手が上がったことは知っていた。
それでも、その爪が自分に振り下ろされることがないことを確信しているかのように、ジョミーは白い首へと顔を埋めた。
牙がゆっくりと音を立てて、白い肌を突き破る。
赤い、甘い、どろりとした温かなものがジョミーの口へと広がって、焼け付くような渇きを癒して行く。
ジョミーの体内を巡り、熱を分けて満たすように、それとも熱を奪い凍えさせているように、激しい変化を与えた。
うっとりと極上の甘露に酔いしれていたジョミーは、その身体が僅かに傾いだところで、ようやく牙を獲物から離した。
「……ブルー」
血と共に流れ込んできた記憶の断片。
その名を呼ぶと、白い肌がますます白くなった青年、ブルーの頬に手を添える。
「ぼくの初めての獲物……初めての……ひと……」
「ジョミー……僕の爪が、目覚めさせて……しまった、のか……」
その頬に両手を添えて、苦しげに細められた赤い瞳を見つめながらもう一度顔を寄せる。
ブルーは今度も逃げなかった。その手は、ブルーからも抱き寄せるようにジョミーの背中に回る。
「………これが、僕の本当の望みだったのかもしれない……」
ジョミーは小さく笑って頷いた。
「あなたには、ぼくの血を分けてあげる。だからずっと傍にいて」
「君の望みのままに。ジョミー、僕は初めて君を見たときから……」
掠れるような囁きは、重ねられた唇からジョミーの中だけへ伝わる。
部屋の時計が、日を改めジョミーが14歳になったことを告げた。

はっとジョミーが正気に戻ったとき、その華奢な身体は銀の髪の青年に委ねられていた。
「あっ……!ぼ、ぼくっ」
その胸に手をついて、慌てて身体を起こす。
急に離れてしまったジョミーに目を瞬いて、空になった腕の中にブルーが眉を下げる。
「ジョミー」
「ぼく……今………っ」
自分の血を見たときから、まるで熱に浮かされているような、夢の中のようなふわふわとした感覚の中にいた。だがすべて覚えている。
震える手で唇を押さえると、口に広がったものが指をぬるりと濡らした。
怯えながら目を向けた指先は、赤い血に染まっている。
「ひ……っ!」
口の中に広がるのは確かに目の前の青年の、ブルーの血なのに、その少し喉に絡む水とは違う液体が、何よりもジョミーを潤していた。
その事実が恐ろしい。
「ぼくは……っ」
「ジョミー、君はヴァンパイアの血族だ。血でなければその喉の渇きは癒えない」
「そ……んなっ」
「心配しないで。僕が君のためにいつでも血を用意してあげる。君の血を受けた僕は君の下僕だ」
「いらないよ!血なんて欲しくないっ」
優しく微笑み、髪に指を絡めながら恐ろしいことを口にするブルーを思い切り突き飛ばす。
「ジョミー!」
伸ばされた手をすり抜けるように避けて部屋を飛び出そうと扉を開けたその向こうは、赤と黒だけの果ての見えない空間だった。
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